股関節痛の人が避けるべき運動とやってはいけない理由

「股関節痛があっても運動は必要?」と悩んでいませんか?

 

股関節は日常動作の要となる大切な関節ですが、痛みがあると「動いていいのか」「休ませたほうがいいのか」と判断に迷う方が多いものです。

 

実際、痛みがあるときに無理な運動を続けると、症状が悪化することがあります。逆に、安静にし過ぎても関節が固まり、動きが悪化する原因になることも。

 

この記事では、股関節痛のときに避けるべき運動や、症状を悪化させないためのポイント、股関節臼蓋形成不全や変形性股関節症のケース別注意点まで、分かりやすく解説しています。

 

正しい知識を持って、あなたの股関節痛をしっかりケアしていきましょう。

 

痛みの悪化を防ぎ、安心して日常生活を送るために、ぜひ最後までお読みください。

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

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目次

股関節痛のときにやってはいけない運動とは?

股関節痛でやってはいけない運動

股関節痛があるとき、運動をしたほうがいいのか、それとも避けたほうがいいのか悩む方も多いですよね。実は、股関節痛があるときに無理な運動をすると、症状が悪化する可能性があります。

 

ここでは、股関節痛を悪化させる運動や避けたいポイントについて詳しく解説します。運動を取り入れる際の参考にしてください。

 

なぜ運動が股関節痛を悪化させるのか?

股関節は、体を支える重要な関節です。

 

そのため、運動による負担が直接かかりやすい部位でもあります。

 

特に、関節に無理な負担がかかる動きや、股関節の正常な動きを妨げる運動を行うと、痛みが強くなることがあります。

 

また、普段からあまり動かしていない人が急に運動を始めると、筋肉や関節が硬くなっているため、動きがスムーズにいかずに炎症や痛みが悪化しやすいからです。

 

股関節痛を悪化させるNG運動一覧

股関節痛のある方が避けたいNG運動は以下の通りです。

 

  • エアロバイク:サドルが尾骨に当たり、骨盤に負担がかかりやすい。
  • ウォーキングマシン:自然な歩き方と異なり、足首中心の動きになるため股関節への負担が増える。
  • ステップ踏み:片足で踏み込む不自然な動きが多く、股関節に余計な負担がかかる。
  • ヨガ(特に無理なポーズ):筋肉を強く引っ張る動きで、普段運動していない方は痛みを起こしやすい。
  • スポーツ(競技レベル):負担が大きく、繰り返しの動作で股関節の痛みが悪化しやす

 

関連動画股関節博士Jimmy先生の解説

 

NG運動を避けるために知っておきたいポイント

股関節痛を悪化させないためには、運動を始める前に以下のポイントをチェックしましょう。

 

・医師や専門家に相談する
自己判断で運動を始めず、必ず専門家に相談してから行いましょう。

・無理をしない
「頑張りすぎない」ことが大切です。痛みが強いときは安静を優先し、少しずつ動かすことがポイントです。

・正しいフォームで行う
運動をする際は、正しい姿勢とフォームを意識しましょう。自己流では痛みを悪化させる原因になります。

 

股関節痛があるときは、「やらない方がいい運動」をしっかり把握して、痛みを悪化させないように注意しましょう。

 

正しい知識を身につけて、無理なく健康的に体を動かしていくことが大切です。

 

股関節痛のときにやってはいけないこと

股関節痛のときにやってはいけないこと

股関節痛があると、「なるべく動かさないほうがいいのかな」と思いがちです。しかし、実際には安静にし過ぎることが逆効果になる場合があります。

 

ここでは、股関節痛のときにやってはいけないことと、その理由について詳しく解説します。

 

安静にし過ぎない

股関節に痛みがあると、つい動かさずにじっとしていたくなりますよね。

 

しかし、動かさないでいると関節が固まり、かえって痛みが増す可能性があります。

 

例えば、骨折してギプスを巻いた手首は、2ヶ月後にギプスを外したとき関節が固まって動かなくなっています。

 

同じように、股関節も安静にし過ぎると関節が固まってしまうのです。

 

そのため、股関節が痛くても無理のない範囲で少しずつ動かすようにしましょう。

 

日常生活の中で軽いストレッチや歩行を取り入れるのがおすすめです。

 

安静が必要な場合もある

「安静にし過ぎない」とはいえ、すべてのケースで動かしたほうがいいわけではありません。

 

次のような場合は、医師の指示に従って安静を保つことが大切です。

 

●安静にする方がいい時

  • 医師から安静の指示があったとき
  • 激痛で動くのが困難なとき

 

特に痛みが強い場合は無理に動かすと逆効果になることがあります。

 

このようなときは、痛みが落ち着くまで数日安静にして、痛みが軽減してきたらゆっくりと動かすようにしましょう。

 

痛みが治まったら徐々に動かす

痛みがあっても、5〜9日ほどで症状が軽くなる場合が多いです。

 

このタイミングで、無理のない範囲で動かしていくことが大切です。

 

ウォーキングや簡単なストレッチから始め、痛みが出ない範囲で関節を動かしていきましょう。

 

股関節痛のときに気を付けること

股関節痛があるときは、普段の生活で何気なくしている行動が症状を悪化させることもあります。

 

ここでは、股関節痛のときに気を付けたいポイントをわかりやすく解説します。

 

ヒールを履かない

ヒールを履いて歩くと、股関節の動きが制限されてしまいます。

 

特に、ヒールの歩行はフラミンゴのような片足立ちの姿勢に近くなり、股関節がうまく動きません。

 

本来の歩行では、腰椎・骨盤・股関節・膝関節・足首が連動して動くため、ヒールはなるべく避け、スニーカーやフラットシューズを選びましょう。

 

股関節症におすすめの靴については、「股関節に負担がかからない靴」の記事をご覧ください。

 

高さのある靴を避ける

パンプスなど高さのある靴もヒールと同様に股関節の動きを制限します。

 

「ヒールじゃないから大丈夫」と思いがちですが、股関節に負担がかかるので、股関節痛がある方は履かないようにしましょう

 

座り方に気を付ける

床に座る習慣がある方は、座り方に注意が必要です。

 

横座りやぺたんこ座り、脚を組む座り方は、股関節にゆがみを生じさせ、痛みを悪化させる原因になります。

 

椅子を使った正しい座り方や、あぐら座りの際も左右バランスを意識しましょう。

 

座り方については、「股関節を負担をかけない座り方」の記事をご覧下さい。

 

股関節の動き ゆがみ 横すわり

 

体重管理をする

体重が増えると股関節への負担も増加します。

 

特に痛みがあると動く量が減って体重が増えやすくなるため、食事管理を意識して体重コントロールを心がけましょう。

 

強く揉まない

痛みがあると「凝っているのかも」と強くマッサージしたくなるかもしれませんが、逆効果です。

 

強く揉むと筋肉が防御反応で硬くなり、痛みが悪化することがあります。

 

マッサージするならオイルで優しくさする程度にしましょう。

 

関連記事:ぎっくり腰とマッサージ

 

温めない

股関節に痛みがある場合、関節内で炎症が起きている可能性があります。

 

温めると一時的に痛みが和らぐかもしれませんが、炎症が悪化することもあります。

 

痛みがあるときは温めず、冷やすのが基本です。

 

関連記事:アイシングのやり方

 

サポーターを長時間着けっぱなしにしない

サポーターは患部の動きを制限し痛みを軽減しますが、着けっぱなしはNGです。

 

長時間使用すると関節の動きが低下し、サポーターを外したときに痛みが戻る可能性があります。

 

使うときは「外出時だけ」「運動時だけ」など期間を決めましょう。

 

サポーターについては「股関節痛とサポーターについて」の記事をご覧ください。

 

お酒は控える

お酒は炎症を強め、痛みを悪化させる可能性があります。

 

特に痛みがあるときや腫れがあるときは、お酒は控えるようにしましょう。

 

股関節臼蓋形成不全のときにやってはいけないこと

股関節臼蓋形成不全のときにやってはいけないこと

股関節臼蓋形成不全がある場合、股関節を無理に広げることは絶対に避けましょう。なぜなら、臼蓋形成不全は「股関節のかぶりが浅い」状態で、股関節が不安定になりやすいからです。

 

無理な開脚やストレッチはNG

臼蓋形成不全の特徴として、股関節をあぐらのように開いたときに左右差が出やすいという点があります。

 

この左右差を「ストレッチで改善しよう」と無理に開こうとすると、かえって股関節に過度な負担をかけ、痛みや炎症が悪化してしまうことがあります。

 

関連記事:ストレッチのやり過ぎは逆効果?

 

正しい対処法を知ろう

臼蓋形成不全の方は、股関節の可動域を広げようと頑張りすぎないことが大切です。

 

専門家の指導のもと、無理なく動かしながら筋力をつけることを心がけましょう。

 

また、日常生活であぐらや無理な開脚を避け、股関節を守る動作を意識するのも大事です。

 

股関節臼蓋形成不全では、自己判断で無理に股関節を広げるストレッチやヨガは避けましょう。

 

股関節に負担をかけない適切な運動を専門家に相談しながら取り入れることで、安心して症状の改善を目指しましょう。

 

股関節臼蓋形成不全については「股関節臼蓋形成不全の特徴」の記事をご覧ん下さい。

 

変形性股関節症のときにやってはいけないこと

変形性股関節症のときにやってはいけないこと

変形性股関節症のときにやってはいけないのは、動きを制限しすぎてしまうことです。なぜなら、動かさないことで股関節が固まり、かえって動きが悪化してしまうからです。

 

動きを制限しすぎるとどうなるの?

「痛みが強くなったらどうしよう」や「変形が悪化したら困る」といった不安から、階段を避ける、歩かない、しゃがまないなどの動作を制限しがちです。

 

しかし、こうした過度な安静は関節の動きを低下させ、筋力も弱まり、かえって症状を悪化させる原因になります。

 

無理のない範囲で動かすことが大切

もちろん痛みが強いときに無理をする必要はありません。

 

でも、痛みが落ち着いてきたら、日常生活の中で股関節を無理のない範囲で動かすことが大切です。

 

「体重をかける」「歩く」「階段を使う」など、少しずつ日常の動きを取り入れていきましょう。

 

変形性股関節症があっても、動かさないことが症状の悪化につながることがあります。

 

不安なときは、整形外科医や専門家に相談しながら、無理のない範囲で関節を動かす習慣を心がけましょう。

 

股関節を守りながら、痛みの改善と動きの維持を目指してください。

 

変形性股関節症については「変形性股関節症の特徴」の記事をご覧ください。

 

よくある質問

よくある質問

ここでよくある質問にお答えしていきます。

 

Q1. ウォーキングマシンはNGでも、屋外の平坦なウォーキングなら大丈夫?

A. はい。地面を自分の脚で押し出す自然な重心移動が得られるため、適切なシューズと歩幅(小さめ)を守れば股関節への負担は少なく済みます。

 

Q2. ストレッチは動的と静的、どちらを優先すべき?

A. 朝や運動前→動的ストレッチで関節を動かす。運動後・就寝前→静的ストレッチで筋緊張をリセット、の順が効果的。

 

Q3. 階段は避けるべき? それともリハビリとして使った方がいい?

A. 基本はOKです。日常生活で階段を使う生活があるなら必要以上に避けない方がいいでしょう。避けることで階段が使えない体になります。ただし、運動といって無理に使わなくてもいいでしょう。

 

Q4. ヒールをどうしても履かなければいけない日は?

A. 高さ3cm以下・太ヒールを選び、移動時間を最小限に。職場では低ヒールの室内履きに履き替えると負担を大幅に減らせます。

 

Q5. 臼蓋形成不全で“開脚NG”なら、可動域アップは諦めるしかない?

A.股関節の開脚には腰痛の可動域も影響します。なので、腰椎の可動域をUPさせることで、股関節の可動域も広がります。また、「なぜ、股関節の可動域を広げないといけないのか?」ってところも十分に考慮しないといけないでしょう。

 

Q6. 変形性股関節症で“動きを制限しすぎるな”と言われても痛くて怖いです。スタートラインは?

A. 痛みゼロで立位保持30秒がクリアできたら、次にその場足踏み30回。これが問題なければ屋内5分歩行→屋外10分、と段階的に延ばすと恐怖感なく取り組めます。

 

【まとめ】】股関節痛のときに気をつけるポイント

股関節痛があるときは、運動を取り入れるべきか、安静にするべきか迷いがちです。

 

しかし、実際には「やってはいけない運動」や「気をつけたい生活習慣」を知っておくことで、痛みの悪化を防ぎながら無理なく改善を目指すことができます。

 

この記事では、以下のポイントを解説しました。

 

●股関節痛を悪化させるNG運動
エアロバイク、ウォーキングマシン、ステップ運動、ヨガ、競技レベルのスポーツなどは避けましょう。

●安静にしすぎない
動かさないことで関節が固まるリスクがあるため、痛みが落ち着いたら無理のない範囲で動かすことが大切です。

生活習慣の注意点
ヒールや高さのある靴、横座りや脚組み、体重増加、強く揉むマッサージ、温め、サポーターの長時間使用、お酒は股関節痛を悪化させる可能性があります。

●症状別の注意点
・臼蓋形成不全は無理な開脚やストレッチNG。
・変形性股関節症は動かさないと悪化するので、無理のない範囲で動かす習慣を。

 

股関節痛があるときは、自己判断で運動を始めるのではなく、専門家に相談しながら正しい方法でケアを続けましょう。

 

正しい知識とセルフケアを実践して、痛みの改善と快適な日常生活を目指してくださいね。

 

 

この記事の執筆者

しらひげ鍼灸整骨院 白髭勝博

 

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