
変形性股関節症の方が「ノルディックウォーキングをやってみたいけど、本当に効果があるの?」と感じるのは、とても自然なことです。
変形性股関節症を改善するのに、ノルディックウォーキングは、効果があるのか疑問に思う方もいるはずです。
変形性股関節症の改善に対するノルディックウォーキングについて、私の考えは次の通りです。
変形性股関節症ですり減った軟骨は元に戻りませんが、動かすことで残っている可動域や筋肉を保つことで、変形性股関節症の症状を緩和することができます。
この記事では、変形性股関節症の方のノルディックウォーキングの効果や注意点などをわかりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
それでは、さっそく詳しく見ていきましょう。
はじめに

はじめにお伝えしておくことがあります。
それは、このページでは「変形性股関節症の方」に向けてお話ししていきます。
例えば、「ノルディックウォーキングのメリット」と「変形性股関節症の方のノルディックウォーキングのメリット」では、話しが違ってきます。
なので、このページでは、変形性股関節症の方がノルディックウォーキングを使うという前提条件でお話を進めていきます。
たとえば、健康な方にとってノルディックウォーキングは上半身の運動量を増やし、全身の筋力強化が主な目的です。
一方、変形性股関節症の方にとっては、股関節への負担を分散させながら体を動かし続けることが最優先になります。
ノルディックウォーキングのメリット

変形性股関節症の方が、ノルディックウォーキングを行うメリットは、次の通りです。
⚫️メリット
- 筋力の維持
- カロリー消費
- 心肺機能の維持
- 気分転換
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
筋力の維持
変形性股関節症の方が、ノルディックウォーキングを行うことで、筋力を維持できます。
股関節が痛いからといって、安静にしていると筋力は低下してしまう。
特に股関節周りの筋肉(中殿筋・大殿筋など)が弱ると、歩行時の股関節への負担がさらに大きくなる悪循環に陥ります。
なので、変形性股関節症の方がノルディックウォーキングをすることで、筋力を維持することができます。
カロリー消費
ノルディックウォーキングをすることで、カロリー消費できる。
繰り返しになりますが、股関節が痛いからといって、安静にしていると体重が増える原因になります。
体重が増えると股関節や膝にかかる負担が大きくなるので、ノルディックウォーキングをすることで、体重増加防止になります。
体重が1kg増えると、歩行時に股関節にかかる負担はおよそ3倍(3kg相当)増加すると言われています。体重管理は、股関節痛の緩和においてとても重要な要素です。
心肺機能の維持
ノルディックウォーキングをすることで、心肺機能を維持することができる。
繰り返しになりますが、股関節が痛いからといって安静にしていると心肺機能が低下します。
心肺機能が低下すると少し動くだけで息が上がり疲れやすくなります。
なので、ノルディックウォーキングをすることで、心肺機能を維持することができます。
気分転換
ノルディックウォーキングを行うことで、身体を動かし気分転換ができます。
ウォーキングをすることで、セロトニンが活性化し気分が落ち着いたり、ポジティブに気分になるという研究結果もある。
なので、ノルディックウォーキングをすることで、身体を動かすことはメンタルをいい状態で保つメリットがあります。
股関節への負担軽減
変形性股関節症の方にとって特に注目してほしいメリットが、股関節への負担軽減です。
ノルディックウォーキングでは両手にスティックを持つことで、歩行時に体幹が左右に揺れる量(体幹の側方動揺)が軽減されます。
これにより、股関節にかかる圧縮力(関節を押しつける力)が分散され、歩くときの痛みが和らぎやすくなります。
また、スティックを使うことで通常のウォーキングと比べてエネルギー消費量が約20%増加するとも言われており、股関節への負担を減らしながらも全身をしっかり動かせます。
研究では、変形性股関節症の患者さんを対象に「週3回・1回15分以上」を6か月間続けたところ、歩行能力・股関節の機能・筋力の改善が認められています。
「何から始めればいいかわからない」という方は、まずこの頻度を目安にしてみてください。
ノルディックウォーキングの注意点

変形性股関節症の方がノルディックウォーキングする時の注意点は、次の通りです。
⚫️注意点
- 股関節の荷重が少ない
- 運動連鎖が崩れる
- スティック頼りの歩行になる
- 手首・肩関節に負担をかける
- スピードを出さない
- ウォーキングシューズを履く
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
股関節の荷重が少ない
股関節は上半身と脚をつなぐ関節で体重が乗る(荷重)関節です。
つまり、体重が乗って動かすことで、本来の役割を果たします。
しかし、ノルディックウォーキングではスティックを使うことで、股関節への荷重は減ります。
体重を乗せると「股関節が痛い」という人もいますが、体重が乗せない(荷重されない)ことで運動で得られる股関節の機能回復は少なくなります。
なので、変形性股関節症でノルディックウォーキングをするなら、股関節に体重が乗るように意識して運動しましょう。
「スティックはあくまでサポート、メインは自分の脚で歩く」というイメージが大切です。
運動連鎖が崩れる
運動連鎖とは「体はパーツだけで動くのではなく、全体で動いている」ということです。
例えば、歩く時に「右手と左足」が同時に動きます。
行進している時の動きだね。
そして、右手と左足を繋ぐ「背中の筋肉」が動いています。
このように、体は動かすときに運動連鎖が起きています。
ノルディックウォーキングでは、スティックの操作に集中するあまり運動連鎖が崩れ一部分に負担がかかりやすくなります。
意識的に「腕を前に振る→体を回す」という自然な流れを心がけるとよいでしょう。
スティック頼りの歩行になる
繰り返しになりますが、変形性股関節症の方は歩くときに、股関節に体重を乗せると痛いと言われる方が多く、スティックを持つことでスティック頼りの歩行になります。
スティック頼りの歩行になることで、上記でお話ししたように歩行時に股関節が荷重されず、運動しているのにも関わらず、股関節の機能回復が少なく、スティックが手放せない状態になります。
なので、スティックは補助として使うようにしましょう。
手首・肩関節に負担をかける
スティックを使うことで手首・肩関節に物凄く負担がかかります。
スティックを補助として使いながら歩く方、できるだけ股関節に体重を乗せないようスティックに大半の体重をかけて歩行する方など様々ですが、変形性股関節症でノルディックウォーキングを行うと手首や肩関節を痛める方も多いです。
もし、手首・肩関節に痛みを感じるならノルディックウォーキングを一旦、中止し専門医に相談しましょう。
スピードを出さない
スティックを持つことで、4本で身体を支える歩行になります。
すると、歩行スピードがUPする人がいます。
特に、普段の運動量が少ない人が、スピードを上げて歩行することで、体への負担が大きくなり、痛みが行きやすくなります。
なので、変形性股関節症でノルディックウォーキングをするなら、歩行スピードを上げすぎないように注意しましょう。
目安としては「歩きながら会話ができる程度のペース(ニコニコペース)」がちょうどよいです。
ウォーキングシューズを履く
運動するときはウォーキングシューズを履きましょう。
ウォーキングシューズは、クッション性があり歩行時の体への負担を軽減してくれます。
また、かかとがしっかりとした作りなので、歩行が安定し股関節への負担も軽減してくれます。
逆に薄底のサンダルやヒールのある靴では足元が不安定になり、股関節への衝撃が増してしまいます。
なので、変形性股関節症でノルディックウォーキングをするならウォーキングシューズを履きましょう。
ノルディックウォーキングのやり方

ノルディックウォーキングのやり方は、次の通です。
- 手の力を抜き、リラックスしてスティックを握る。
- スティックは地面に約45度の角度で押し込む。
- 肘を伸ばし、肩から大きく動かす。
- 地面に着地する時はゆっくり。
- スティックの高さは肘が90度になる高さ。
- 腕振りのようにスティックを動かす。
- 背筋を伸ばし、猫背にならない。
上記の中でも特に「ゆっくり着地」「肘は90°」「姿勢」は意識しましょう。
変形性股関節症の方は、最初から長時間歩こうとせず、5〜10分程度から始めて、体の様子を見ながら徐々に時間を延ばしていくのがおすすめです。
「歩いた翌日も股関節の痛みが残る」ようであれば、歩く時間や距離を減らすサインと考えてください。
スティックの選び方

ノルディックウォーキングのスティックを選ぶポイントは、次の通り。
- 長さ調整ができるもの。
- アルミ製やカーボン製は軽く疲れにくい。
- グリップは滑りにくく、手にフィットするもの。
スティックの長さの目安は「身長×0.68」と言われていますが、変形性股関節症の方はこれより少し短めに設定すると、股関節への荷重を意識しやすくなる場合があります。
まずは長さ調整ができるタイプを選び、自分に合った高さを探してみてください。
まとめ

ノルディックウォーキングを正しく行うことで、変形性股関節症の症状を緩和できます。
変形性股関節症の方にとって、ノルディックウォーキングは筋力維持や気分転換に役立つ一方で、注意点もあります。
この記事では、その効果や注意点、具体的な取り組み方を解説しました。
【ポイント】
⚫️メリット
筋力維持、カロリー消費、心肺機能向上、気分転換が期待できる。
⚫️注意点
股関節に適度な荷重をかける意識が重要。スピードを上げすぎない。
⚫️やり方
正しい姿勢でリラックスし、スティックを適切に使う。
⚫️スティック選び
軽くて調整可能なものが理想的。グリップや素材を確認する。
⚫️運動の進め方
期限を決めて取り組み、徐々にスティック無しのウォーキングへ移行する。
ノルディックウォーキングを正しく行うことで、変形性股関節症の症状を緩和できます。
運動時には専門家のアドバイスを参考にしながら、安全に取り組むのがいいでしょう。
「股関節の痛みが続いている」「自分に合った運動を知りたい」という方は、お気軽にしらひげ鍼灸整骨院にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q. 変形性股関節症でもノルディックウォーキングを始めてよいですか?
はい、適切な方法で行えば変形性股関節症の方にも効果的な運動です。スティックを使うことで股関節への負担を分散しながら歩くことができます。ただし、痛みが強い場合や整形外科で運動を禁止されている場合は、必ず専門医に相談してから始めてください。
Q. ノルディックウォーキングはどのくらいの頻度・時間が目安ですか?
研究では「週3回・1回15分以上」を6か月間続けることで、歩行能力や股関節の機能・筋力の改善が認められています。最初は5〜10分程度から始め、翌日に痛みが残らない範囲で徐々に時間を延ばしていくのがおすすめです。
Q. スティックにどのくらい体重をかけてよいですか?
スティックはあくまでも「補助」として使うのが基本です。体重の大半をスティックにかけてしまうと、股関節への荷重が減り機能回復が妨げられるほか、手首や肩関節を傷める原因になります。「自分の脚で歩くサポート」というイメージで、軽く地面を押す程度に留めましょう。
Q. ノルディックウォーキングはずっと続けるべきですか?
いいえ、期限を決めて取り組むことが大切です。スティックを長期間使い続けると依存しやすくなり、股関節本来の荷重機能が低下する恐れがあります。状態が改善したら徐々にスティック無しのウォーキングへ移行し、股関節に適度に体重をかけながら歩く練習をしていきましょう。



