- 変形性股関節症にプール運動は効果ある?
- 運動して体重が減れば股関節痛は治る?
- 変形性股関節症のおすすめの運動は?
今回は、こんなお悩みを解決していきます。
変形性股関節症のプール運動のポイントは、次の通りです。
- 変形性股関節症にプール運動は効果的でない。
- 股関節は荷重することが大切。
- 変形性股関節症の原因は体重の増加だけではない。
- 関節は動かさないとサビついて動きが悪くなる。
この記事では、水中ウォーキングと股関節痛について、分かりやすく解説しますので、ぜひ、最後まで読んでください。
それでは、さっそく見てきましょう。
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変形性股関節症に水中ウォーキングは効果的?
私は変形性股関節症を改善するのに、水中ウォーキングを推奨しません。
理由は、水中では股関節が負荷されないからです。
股関節は上半身を支える関節で、日常生活では荷重されています。
なので、股関節の働きを回復させるのにも、荷重させることが大切であり、水中ウォーキングは変形性股関節症を改善するのに向きません。
プール運動は補助的な役割
もちろん、水中ウォーキングがダメというわけではありません。
体重を乗せるのがどうしても痛いとき、体重管理、他の運動との組み合わせなど、上手に取り入れることが大切です。
水中ウォーキングのメリット
変形性股関節症の運動で水中ウォーキングのメリットについてお話ししていきます。
股関節に負担をかけない運動ができる
プールでは浮力が働くため、股関節や膝への負担が軽減されます。
医師から「股関節や膝に負荷をかけてはいけない」と指示が出ている場合は、プール運動は安心して取り組める運動法の一つです。
筋力強化
水の抵抗を活かした運動は、筋力強化にもつながります。
ゆっくりでも大きく動かすことで、普段あまり使わない筋肉をしっかりと動かせます。
横の動きや泳ぎなど、さまざまな動きを取り入れると、さらに効果的です。
ただし、変形性股関節症で歩くときの痛みは、筋力がつくだけでは改善されないこともあります。
カロリー消費が高くダイエット効果が期待できる
水中は水の抵抗が大きいため、カロリー消費が高くダイエット効果が期待できます。
特に、体重の増加が股関節痛の原因の一つになっている場合、体重管理も大切です。
水中ウォーキングを取り入れながら、股関節の動きや歩く力を回復させる運動を併用すると効果的です。
筋力強化
水中は水の抵抗があるので筋力強化にはなります。
この場合、ゆっくりでもいいので大きく動かすと、たくさん筋肉を使うので効果的に筋力強化を行なえます。
また、横の動きや泳いだりさまざまな動きを織り交ぜて動く方がいいでしょう。
リラックス効果
身体を動かすとすっきりします。
人の身体は本能的に動かすようにプログラミングされています。
記憶に新しいコロナの緊急事態宣言時の自粛で身体を動かさないと、みんな、ストレスが溜まって普段運動をしない方もウォーキングをし始めたりしました。
心の健康を保つためにも身体を適度に動かすことは重要。
水中ウォーキングのデメリット
変形性股関節症でプール運動をするデメリットについて、お話ししていきます。
歩く力の回復には不十分
プール運動では浮力によって関節への負荷が軽減される一方、日常生活に必要な「歩く力」を養うことが難しいです。
歩く力をつけるには、実際に体重をかけて歩く運動が必要です。
股関節を支える筋肉やバランス感覚も、地上での歩行でこそ鍛えられます。
●ワンポイント
水中ウォーキングで脚の筋肉がついても、歩く力の回復には直接つながりにくい点に注意が必要です。同じように、股関節に負担がかからない運動としてエアロバイクもあります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▶︎関連記事:変形性股関節症とエアロバイク
着替えや移動が面倒で続けにくい
プールでの運動は、着替えや髪の毛を乾かすなどの手間がかかります。
これが面倒になり、続けにくい理由になる方も多いです。
短時間で手軽にできない
ちょっとした隙間時間やお買い物ついでに運動することができません。
また、プールまでの移動も必要なので、忙しい方には負担に感じることもあるでしょう。
水中ウォーキングで体重が減れば股関節痛は軽減する?
「股関節が痛いのは体重が増えたせいでは?」と思い、水中ウォーキングでダイエットすれば一石二鳥では?と考える方も多いかもしれません。
しかし、実際には体重増加だけが股関節痛の原因ではありません。
体重増加だけが原因じゃない
体重増加は確かに股関節への負担を大きくする要因の一つです。
ですが、それだけが痛みの原因ではないことも多いのです。
例えば、左右の体重バランスが「右足7:左足3」になっていた場合、右側の股関節に過度な負担がかかって痛みが生じやすくなります。
▶︎関連記事:変形性股関節症を解説
体重を減らしても痛みが残るケースも
「体重を減らせば痛みがなくなる」と単純に考えがちですが、実はそれだけでは不十分です。
体の使い方や姿勢のバランス、筋力の低下など、他にも股関節痛を引き起こす要因はさまざまです。
体重管理+バランス改善が大切
体重管理はもちろん大切ですが、それ以上に股関節にかかる負担を減らすために、左右のバランスや筋力を整えることが欠かせません。
ダイエットだけに頼らず、正しい運動やリハビリを取り入れていくことが大切です。
変形性股関節症におすすめの運動は?
変形性股関節症の症状を軽減するのにおすすめの運動は、次の通りです。
- ウォーキング
- 腰伸ばし運動
- ハイハイ運動
- 動的ストレッチ
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ウォーキング
変形性股関節症にウォーキングがおすすめの理由は、次の通りです。
- 荷重させる
- 体幹が鍛えられる
- 股関節周辺の筋肉強化
上記でお話ししたように、股関節は上半身を支える(荷重される)関節です。
なので、ゆっくりでもいいので、ウォーキングで荷重するのがおすすめです。
▶︎関連記事:ウォーキングのやり方と注意点
腰伸ばし運動
股関節は骨盤・背骨と連動して動きます。
私が現場で施術をしていて、骨盤・背骨の動きが硬くなって、股関節に悪影響を及ぼしている人もたくさん見かけます。
特にデスクワーク、腰を反るのが苦手という方にはおすすめの運動です。
▶︎関連記事:腰・背中の硬さを解消するストレッチ
ハイハイ運動
ハイハイ運動も股関節と同時に骨盤・背骨・肩甲骨を動かせるのでおすすめ。
骨盤・背骨・肩甲骨の動きが良くなると、股関節を安定させるインナーマッスルが上手く機能し、股関節を安定させてくれます。
ハイハイ運動はウォーキングよりも股関節の痛みを感じにくいので、痛みが強い時などの運動にもおすすめ。
▶︎関連動画:ハイハイ運動
動的ストレッチ
動的ストレッチとは、体を動かしながら「筋肉」「関節」をストレッチする方法です。
代表的な運動がラジオ体操です。
股関節の動的ストレッチについては、「寝ながらできる股関節ストレッチ」の記事をご覧ください。
まとめ|変形性股関節症に水中ウォーキングは効果的?
この記事では、変形性股関節症におけるプール運動の効果や、体重管理と痛みの関係、そしておすすめの運動法について、わかりやすく解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- プール運動は関節への負担が少なく、リハビリや補助的運動としては有効。
- しかし「歩く力」や「股関節の安定性」を回復するには、体重をかけて歩く運動(ウォーキングなど)が効果的。
- 体重を減らしても、体の使い方やバランスが悪いままだと、痛みは改善されにくい。
- 体重管理とあわせて、姿勢改善・筋力バランスの調整が重要。
- おすすめ運動は「ウォーキング」「腰伸ばし運動」「ハイハイ運動」「動的ストレッチ」など、無理なく継続できるもの。
「変形性股関節症=運動NG」ではありません。
正しい運動と習慣を身につけることで、関節の負担を減らし、痛みの改善や進行予防につながります。
まずは、「痛みのない範囲で体を動かす」ことから始めましょう。
その際には、姿勢・呼吸・ゆっくりとしたフォームを意識することが大切です。
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