
股関節が痛くて歩くのがツラい。こんな時は動いてもいいなのか、それとも安静にした方がいいのか?とお悩みの方もいるはず。
股関節痛があっても、日常生活で動く程度であれば歩いても問題ありません。特に慢性的な痛みや、日常生活で同じ動作を繰り返す方の場合、運動不足が原因で股関節に症状が現れている可能性があります。
痛みがある時は「動いてはいけない」と思うかも知れませんが、動かないことで痛みが出たりすることもあります。
実際に当院に来られる患者さんの中には、「動きはじめに痛みが出るが動いていると徐々に痛みが治まってくる」と言われる方もおられます。
股関節が痛いけど「動きていいの?安静にした方がいいの?」と不安に思っている方の悩みが、解消できるように分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
それでは、そっそく見ていきましょう。
股関節痛があるが動いてもいい場合

股関節に痛みがあるが、歩いても大丈夫な時はどんな時なのか詳しく見ていきましょう。
動かすと徐々に痛みが軽減する
動かして症状が軽減する場合は、歩いても大丈夫です。
理由は、運動不足が原因で症状が出ている可能性が高いため。
関節は動かすことで潤滑油が分泌され、滑らかに動くようになります。
一方、動かさないと潤滑油が不足し、関節が固まることで痛みが出やすくなります。
慢性的に痛い場合
慢性に痛い場合も動いて大丈夫です。
動かさないことで、股関節周辺の筋肉や靭帯が弱り、さらに、痛みが出やすい状態になります。
「痛いから動かないのか?」「動かないから痛いのか?」と思う方もいるでしょう。
しかし、この問いに正解はありません。なぜなら、どちらのパターンもあるからです。
それよりも、痛いのを理由に動かないと「痛みの悪循環」から抜け出すことができません。
なので、慢性的に痛い場合は、少しずつ動いてみましょう。
また、慢性的に痛い場合は、臼蓋形成不全、股関節唇損傷など、股関節の構造に問題があることも考えられるので、専門家に相談しましょう。
レントゲン検査では異常がない場合
レントゲン検査で骨に異常がないと診断された場合も歩いて問題ありません。
股関節痛で安静にした方がいい場合

股関節痛で安静する方が良い場合はどんな時か、詳しく見ていきましょう。
転倒などで股関節を強く打った
転倒などで股関節を強く打った場合は、骨折の可能性があるため、無理をせず安静にしましょう。
特に高齢者や骨粗鬆症のある方は注意が必要です。
激痛で足を引きずりながら歩く
激痛で足を引きずる場合も無理をせず安静にしてください。
激痛がある場合は、一時的に「強い炎症」が起きていることがあります。
強い炎症はおおよそ3〜5日で治ります。
数日経過しても痛みが軽減しない場合は医療機関を受診しましょう。
歩くと股関節が痛くなる原因とは?

どうして歩くと股関節が痛くなるのか、詳しく見ていきましょう。
運動不足による筋力低下
長時間のデスクワークや、運動習慣のない生活を続けていると、股関節周辺の筋肉や靭帯がが弱くなり、股関節が不安定になります。
股関節を支えるインナーマッスルは、次の通りです。
- 腸腰筋
- 内・外閉鎖筋
- 小臀筋
インナーマッスルは奥深いところにある筋肉で、表面からは見えないので、どれるらい弱っているのか確認するのが難しいのも難点。
不良姿勢・クセ
猫背・反り腰・脚を組むクセなど、日常の姿勢や動作のクセも関節に偏った負担をかけ、歩行時の痛みにつながります。
また、不良姿勢は上記のインナーマッスルが弱る原因にもなります。
関節の使い過ぎ
運動不足とは反対に、過剰な運動やスポーツによる使い過ぎも痛みの原因になります。
特に、ランニングや筋トレなどでフォームが悪いまま繰り返し負荷をかけると、股関節の軟骨や筋肉に炎症が起こりやすくなります。
変形性股関節症・臼蓋形成不全などの疾患
股関節の痛みが慢性的に続く場合は、関節の構造的な問題や病気の可能性も視野に入れる必要があります。
代表的な疾患は以下の通りです。
- 変形性股関節症:関節の軟骨がすり減って可動域が狭くなっている
- 臼蓋形成不全:股関節のかぶりが浅く、関節が不安定になる
- 股関節唇損傷:軟骨が痛んでいる・炎症が起きている
これらの病気は自然には治らないケースも多いため、専門医に相談しましょう。
悪化を防ぐための靴選び・セルフケア

股関節痛は特別な場合を省き、安静にしてても改善しません。なので、動かすことが大切なのです。
ここでは、股関節が痛くても動かすのを手助けする靴選びやセルフケアについてお話しします。
股関節に負担をかけない靴選び
股関節に負担をかけない靴選びのポイントは、次の通りです。
- クッション性がいい
- かかとがしっかりとしている
- ぴったりサイズ
靴を変えるだけでも股関節にかかる負担は大きく変わります。
おすすめの靴については、「股関節痛におすすめの靴と選び方」の記事をご覧ください。
股関節ストレッチで可動域を保つ
股関節の動きを維持するためには、無理のない範囲でのストレッチが有効です。
ただし、痛みが強いときに無理に動かすのは逆効果になることもあるため、以下の点に注意しましょう。
- 呼吸を止めずにゆっくり伸ばす
- 痛みを感じる手前でストップする
- 反動をつけずに、静かにキープする
おすすめは、動的ストレッチと言って動きの中でゆっくりと動かすのがおすすめ。
また、股関節だけでなく、腰や背骨・肩関節も一緒に動かすことも大切です。
ストレッチについては、「寝ながらできる股関節ストレッチ」の記事をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 股関節が痛いとき、歩かないほうがいいですか?
A. 痛みの種類によって異なります。
動き始めは痛くても、少し歩くうちに楽になってくる場合は、動かしたほうが症状の改善につながることが多いです。
一方、転倒などで強くぶつけた直後や、激痛で足を引きずるほど痛い場合は、まず安静にして医療機関へのご相談をおすすめします。
「歩いていいかどうか迷う」という状態であれば、まず短い距離から試してみて、歩くほど痛みが増すようなら無理をしないことが大切です。
Q. 歩きすぎて股関節が痛くなりました。どうすればいいですか?
A. 歩きすぎによる股関節の痛みは、関節や周囲の筋肉に一時的な炎症が起きているサインです。
まずは無理な歩行を控え、痛みが強い場合は患部を冷やして安静にしましょう。
数日で軽減するケースが多いですが、1週間以上経っても痛みが続く場合は、骨や軟骨に問題が起きている可能性もありますので、一度専門家に診てもらうことをおすすめします。
Q. レントゲンで異常なしと言われたのに、歩くと股関節が痛いのはなぜですか?
A. レントゲンは骨の形や骨折の確認には優れていますが、軟骨・靭帯・筋肉の状態は写りにくいという特性があります。
そのため、股関節唇(こかんせつしん)の損傷や筋力の低下、姿勢のクセによる関節への偏った負担などは、レントゲンでは確認できないことがあります。
「異常なし」と言われた場合でも痛みが続く場合は、姿勢や筋力の問題が原因となっていることも多いため、施術によるアプローチが役立つことがあります。
Q. 股関節が痛いときにやってはいけないことはありますか?
A. 痛みがあるときに特に注意したいのは、「無理をして長距離を歩き続けること」と「痛みを庇(かば)いながら不自然な歩き方を続けること」です。
かばった歩き方は膝や腰にも余計な負担をかけ、新たな痛みの原因になりやすいです。
また、痛みがあるからといって完全に動かさないのも逆効果になる場合があります。
日常生活の範囲で無理のない動きを続けながら、痛みの変化を観察することが大切です。
Q. 動き始めに股関節が痛いのですが、これは何かのサインですか?
A. 動き始めに痛みが出て、少し動くと楽になるというパターンは、股関節まわりの筋肉や関節が固まっているサインであることが多いです。
長時間座った後や朝起き上がった直後に痛みを感じる方に多く見られます。
これは関節の潤滑が不足している状態とも考えられ、適度に体を動かすことで改善しやすいケースです。
ただし、慢性的に続く場合は変形性股関節症や臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)が背景にある可能性もあるため、気になる場合はご相談ください。
まとめ|股関節が痛いときは歩いてもいい?

この記事では、「股関節が痛いときに動いてもいいのか?」という不安を抱える方へ向けて、動いてよいケース・安静にすべきケースの違い、原因と対策、靴選びやストレッチ方法まで詳しく解説しました。
要点をまとめると、以下の通りです。
・動いてもいい時
└ 動いていると徐々に楽になる/慢性的な痛み/レントゲンで異常なし。
・安静にするとき
└ 転倒などで強く打った/激痛で足を引きずる/医師に止められている。
・股関節痛の原因には、運動不足・不良姿勢・使いすぎ・関節の病気など多様な要因がある。
「動かさない=痛みの悪循環」に陥ることも多く、無理のない範囲で関節を動かすことが大切。
また、クッション性が高く安定した靴選びや、寝ながらできるストレッチを取り入れることで、股関節への負担を軽減しながら改善を目指せます。
「痛み=動かしてはいけない」と決めつけず、自分の体の声を聞きながら、正しく動かすことが改善への第一歩になります。
心配な方は無理をせず専門医に相談し、安静を優先しましょう。
●ニューバランスを履いてみた感想は、こちらの記事をご覧ください。
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