「股関節が痛いけど、歩いても大丈夫?」「悪化させないためには安静にすべき?」、そんな疑問を抱えていませんか?
また、動くと痛いからと言って、過度の安静は関節や周辺の靭帯が弱くなり、痛みを起こす原因になります。
本記事では、
- 歩いてもよいケース/安静にすべきケースの違い
- 股関節が痛くなる原因と考えられる疾患
- 悪化を防ぐための歩き方・靴選び・ストレッチのコツ
などを、股関節専門の視点からわかりやすく解説します。
「歩いたほうがいいのか、休んだほうがいいのか…」と迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、そっそく見ていきましょう。
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股関節が痛いとき、歩いても大丈夫?
「股関節が痛いけど、動いてもいいの?それとも安静にすべき?」と悩んでいませんか?実は、股関節痛の程度や原因によって対応は変わります。むやみに安静にしすぎると、かえって筋力が落ちて痛みが悪化することも。
ここでは、歩いてもよいケース・安静が必要なケース、そして判断に迷うときのチェックポイントについて、わかりやすく解説します。
軽度なら歩いてOK
基本的に、軽度の股関節痛であれば歩いても問題ありません。
特に「動かしているうちに痛みが和らいでくる」タイプは、運動不足や関節のこわばりが原因となっている可能性が高く、適度なウォーキングがむしろ改善に繋がります。
ただし、以下の条件を満たしていることが前提です。
- 痛みが強くない(違和感レベル)
- 動いているうちに楽になる
- レントゲンで異常なしと診断された
※自己判断が難しい場合は、必ず専門家に相談してください。
無理をしてはいけないケースとは?
次のような場合は歩くことが症状を悪化させるリスクが高いため、安静にしましょう。
- 転倒や打撲によって急に強い痛みが出た
- 歩くたびに股関節にズキンとした鋭い痛みがある
- 足を引きずるほどの痛みで、普通に歩けない
- 関節が腫れていたり、熱感や赤みがある
これらは強い炎症や骨折の可能性があるため、無理せず病院を受診しましょう。
不安なときはまず確認したい3つのポイント
歩いてよいか不安な場合は、以下の3点をチェックしてみましょう。
痛みの性質はどうか?
▶「動き出しだけ痛い」→動いてOK(無理せず)
▶「何をしてもズキズキ痛む」→安静・専門医に相談
日常生活に支障が出ているか?
▶買い物・家事がこなせる → 動いてもOK
▶靴下を履く、立ち上がるだけで痛い → 安静推奨
体のバランスは保てているか?
▶左右差なく歩ける → 適度な運動はOK
▶片足をかばっている → 専門医に相談
歩くと股関節が痛くなる原因とは?
「歩くと足の付け根がズキッと痛む」「最初の一歩がつらい」そんな股関節の痛みに悩んでいる方は多くいらっしゃいます。
その原因はひとつではなく、運動不足・関節の使い過ぎ・疾患の可能性など、複数の要素が重なっていることがほとんどです。
ここでは、考えられる3つの主な原因について詳しく解説します。
運動不足による筋力低下・関節の硬化
長時間のデスクワークや、運動習慣のない生活を続けていると、股関節周辺の筋肉(特に中臀筋や腸腰筋)が弱くなり、関節を支える力が低下します。
また、動かさないことで関節包や靭帯が硬くなり、可動域が狭くなることも原因です。
その結果、歩き出す瞬間に痛みが出る、関節がゴリゴリと鳴るなどの症状が現れやすくなります。
関節の使い過ぎや間違った姿勢
運動不足とは反対に、過剰な運動やスポーツによる使い過ぎも痛みの原因になります。
特に、ランニングや筋トレなどでフォームが悪いまま繰り返し負荷をかけると、股関節の軟骨や筋肉に炎症が起こりやすくなります。
また、猫背・反り腰・脚を組むクセなど、日常の姿勢や動作のクセも関節に偏った負担をかけ、歩行時の痛みにつながります。
変形性股関節症・臼蓋形成不全などの疾患
股関節の痛みが慢性的に続く場合は、関節の構造的な問題や病気の可能性も視野に入れる必要があります。
代表的な疾患は以下の通りです。
- 変形性股関節症:関節の軟骨がすり減って可動域が狭くなっている
- 臼蓋形成不全:股関節のかぶりが浅く、関節が不安定になる
- 股関節唇損傷:軟骨が痛んでいる・炎症が起きている
これらの病気は自然には治らないケースも多いため、専門医に相談しましょう。
悪化を防ぐための靴選び・セルフケア
股関節が痛いときは、ただ安静にしているだけでは改善しないケースもあります。大切なのは、痛みを悪化させずに、股関節にやさしい方法で「正しく動く」ことです。
この章では、関節をいたわりながら日常生活を送るための歩き方や、セルフケアの具体的なポイントをご紹介します。
股関節に負担をかけない靴選び
股関節に負担をかけない靴選びのポイントは、次の通りです。
- クッション性がいい
- かかとがしっかりとしている
- ぴったりサイズ
靴を変えるだけでも股関節にかかる負担は大きく変わります。
おすすめの靴については、「股関節痛におすすめの靴と選び方」の記事をご覧ください。
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股関節ストレッチで可動域を保つ
股関節の動きを維持するためには、無理のない範囲でのストレッチが有効です。
ただし、痛みが強いときに無理に動かすのは逆効果になることもあるため、以下の点に注意しましょう。
- 呼吸を止めずにゆっくり伸ばす
- 痛みを感じる手前でストップする
- 反動をつけずに、静かにキープする
おすすめは、動的ストレッチと言って動きの中でゆっくりと動かすのがおすすめ。
また、股関節だけでなく、腰や背骨・肩関節も一緒に動かすことも大切です。
ストレッチについては、「股関節痛の人が避けるべき運動」の記事をご覧ください。
まとめ|股関節が痛いときは「無理せず正しく動く」が基本
股関節の痛みがあると「歩いても大丈夫?」と不安になりますが、軽度の痛みであれば、むしろ適度な運動が回復を促すこともあります。
ただし、
- ズキンと響く強い痛み
- 足を引きずるような激痛
- 腫れ・熱感があるとき
などは、無理をせず専門医に相談し、安静を優先しましょう。
また、歩き方や靴の選び方、ストレッチなどの日常的な工夫で、股関節への負担を軽減し、痛みの悪化を防ぐことができます。