- お尻から太ももにかけて痛い。
- 股関節痛と坐骨神経痛の違いは?
- 痛い時は安静にした方がいい?
今回は、こんなお悩みを解決していきます。
股関節痛と坐骨神経痛の違いは、次の通りです。
●股関節症と坐骨神経痛の違い
▲症状が出る場面が違う
- 股関節症:動き始めに痛みが出る
- 坐骨神経痛:ジリジリと常にしびれがある
▲症状が出る場所が違う
- 股関節症:股関節の奥の方に痛み、脚の付け根の前あたり
- 坐骨神経痛:お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎ
この記事では、お尻から太ももにかけての痛みの原因が、股関節痛なのか、坐骨神経痛なのか、見極めるポイントを分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んで下さい。
それでは、さっそく見ていきましょう。
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股関節症と坐骨神経痛の違い
股関節症と坐骨神経痛の違いは、次の通りです。
股関節痛 | 坐骨神経痛 | |
問題が起きている場所 | 関節 | 神経 |
症状が出る場面 | 動き始め | ジリジリと常にしびれ |
症状が出る場所 | 股関節の奥の方に痛み 脚の付け根の前あたり |
お尻から太ももの後ろ ふくらはぎ |
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
症状が出る場面が違う
股関節痛と坐骨神経痛では症状の出る「場面」が違います。
股関節痛は関節の痛みなので、「靴を履く時」「椅子から立ち上がる時」など、動きはじめに症状が出ます。
一方、坐骨神経痛は神経痛なので、「ジリジリ」「ビリビリ」と、常に「しびれ」が出ます。
症状が出る場所が違う
股関節痛と坐骨神経痛では、症状の出る「場所」が違います。
股関節痛は、股関節の奥の方に痛み、脚の付け根の前あたりに痛みが出ます。
一方、坐骨神経はお尻から太ももの後ろ、ふくらはぎと坐骨神経に沿ってしびれが出ます。
太ももの後ろが引っ張るような痛みには注意
坐骨神経痛に似た症状で、お尻から太ももの後ろが「引きちぎられる」ような強い痛みがあります。
この様な症状で、坐骨神経痛なのか、股関節痛なのかで、調べられている方も多いでしょう。
この症状の特徴は、坐骨神経のようにジリジリ、ビリビリと常にしびれているわけではなくて、「朝の動き始め」や「椅子から立ち上がる」時に激痛が走ります。
これは、骨盤の動きが悪くなり筋肉が常に引っ張っている状態により、症状が起きています。
坐骨神経痛と間違われやすいですが、「神経痛」とは違う痛みです。
股関節症の特徴
次は、股関節症の特徴について解説していきます。
股関節痛の特徴
股関節痛の原因として、変形性股関節症、臼蓋形成不全、先天性股関節脱臼、などがあります。
これらは、レントゲンやMRI検査で分かります。
レントゲンやMRI検査など画像検査で異常がない場合は、繰り返しの無理、歩行不足、過去の怪我などが原因になります。
過去の怪我は大きなケガや手術であれば、十年以上も前でも、それによって身体のクセや歪みを作り、徐々に悪化し股関節の症状を起こしていることもあります。
▶︎関連記事:股関節症について
▶︎関連記事:変形性股関節症について
▶︎関連記事:臼蓋形成不全について
▶︎関連記事:股関節唇損傷について
股関節症を起こしやすい人
股関節症を起こしやすい人は、次の通りです。
●股関節症を起こしやすい人
- 保育士
- 介護士
- デスクワーク
- 転倒して股関節を打った
- 膝や足首の怪我
- 片足に体重を乗せることは多い(バドミントン、剣道、プレス工場、ペダルを踏む、運送)
▶︎関連記事:どうして股関節痛は女性に多い?
実は腰痛と股関節痛をセットで持っている人は多い
股関節痛を起こす人は、腰痛もセットで持ってることが多いです。
坐骨神経の特徴
次は、坐骨神経痛の特徴について、解説していきます。
腰の問題による坐骨神経痛
坐骨神経痛の特徴はお尻から足にかけて、「しびれ」や「痛み」が現れます。
坐骨神経痛は、症状はお尻や腰に現れますが、原因は「腰」にあります。
具体的には、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰痛症、すべり症、分離症など、腰椎に問題があり症状があらわれます。
この場合、病院でレントゲンやMRI検査を受けると分かります。
▶︎関連記事:脊柱管狭窄症について
▶︎関連記事:すべり症について
▶︎関連記事:坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違い
▶︎関連記事:ギックリ腰について
梨状筋症候群について
こちらはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、お尻にある梨状筋という筋肉が硬くなり坐骨神経を圧迫し、しびれや痛みの症状を起こします。
原因としては、長時間座る、立ち仕事、スポーツなど、お尻の筋肉に負担がかかると起きます。
梨状筋症候群の場合は、レントゲンやMRI検査では分からないので判断が難しい症状です。
▶︎関連記事:デスクワークで坐骨神経痛
坐骨神経痛は守備範囲が広い
坐骨神経痛は、お尻から足にかけての痛みやしびれの症状が現れる病気ですが、原因はさまざまです。
なので、坐骨神経の改善法を探すよりも、先ずは何による坐骨神経なのかを明確にすることが大切です。
股関節痛の対処法
股関節痛の対処法について、見ていきましょう。
安静・専門医を受診
強い痛みで歩くのもツラい時は、安静にしましょう。
強い痛み3〜5日ほどで軽減します。
もし、軽減しない場合は、専門医を受診しましょう。
また、「転倒して打撲した」など、原因がはっきりしている場合も専門医を受診しましょう。
日によって痛みが変わる
日によって痛みが変わる、軽い痛みの場合は、少し運動で動かしてみましょう。
理由は、動かさないことで痛みが出ているから。
具体的には、「関節を動かす運動」がいいでしょう。
関節を動かす運動については、「寝ながらできる股関節ストレッチ」に記事をご覧下ください。
靴を変える
クッション性んのいい靴に変えることで、股関節への負担を軽減する事ができます。
特に立ち仕事、たくさん歩く仕事の方にはおすすめです。
おすすめの靴は、「ニューバランス880」です。
ニューバランス880はウォーキングシューズで、クッション性・安定性・耐久性のバランスがいい靴です。
▶︎関連記事:ニューバランス880をレビュー
▶︎関連記事:変形性股関節症におすすめの靴
坐骨神経痛の対処法
坐骨神経痛の対処法について見ていきましょう。
安静・専門医を受診
股関節痛の対処法でお話ししたように、強い痛みで歩くのもツラい時は、安静にしましょう。
強い痛み3〜5日ほどで軽減します。
もし、軽減しない場合は、専門医を受診しましょう。
座り方を意識する
坐骨神経痛は、腰で問題が起きている場合が多いです。
特に、良くない座り方は、腰に負担がかかり症状を起こしやすいです。
なので、坐骨神経痛を感たら座り方を変えてみましょう。
座り方については、「腰に負担をかけない座り方」の記事をご覧ください。
腰伸ばし運動
上記でお話ししたように、坐骨神経痛は、腰で問題が起きている場合が多いです。
なので、腰伸ばし運動で腰の動きを回復するのがいいでしょう。
上記の座り方と腰伸ばし運動の両方をすると効果的です。
腰伸ばし運動については、「腰・背中の硬さを解消するストレッチ」の記事をご覧ください。
Q&A:この痛みって股関節?坐骨神経痛?
ここでよくある質問にお答えしていきます。
Q1. お尻〜太ももの裏が痛いとき、股関節痛?坐骨神経痛?
股関節痛は鼠径部(きょけいぶ)や前ももに痛みが出やすいです。
坐骨神経痛はお尻から太もも裏、ふくらはぎにかけての“しびれ”や“鋭い痛み”が出やすいです。
Q2.立ち上がりでズキッと来るのは?
股関節痛は、立ち上がる瞬間に股関節周囲がギクッと痛む。
坐骨神経痛は、立ち上がりよりも長時間座った後、立つと脚全体に、しびれや痛みが広がる場合が多い。
Q3.歩行中に痛みが強まるのはどちら?
股関節痛は、歩幅を大きくすると鼠径部や外側に鈍痛が増す。
坐骨神経痛は歩行中ずっとビリビリ、チクチクと神経の痛みが続く。
Q4.痛み以外に違いはある?
股関節痛は、可動域制限(脚を開く・曲げる・伸ばす動きで引っかかり)。
坐骨神経痛は、足先まで「しびれ」「冷感」「チクチク感」が伴うことが多い。
まとめ|股関節症と坐骨神経痛の違い
この記事では、「お尻から太ももが痛いけど、股関節痛なの?坐骨神経痛なの?」「安静にすべき?」というお悩みに対し、2つの痛みの違いと適切な対処法を解説しました。
要点をまとめると、次の通りです。
- 股関節痛は「動き始めに痛い」、鼠径部や脚の付け根の前あたりに痛み
- 坐骨神経痛は“ジリジリ・ビリビリとしびれる”、お尻から太もも裏〜ふくらはぎまで広がる
- 似ていても、痛みの原因・場所・症状の出方が違うので見極めが重要
- 痛みが強いときは無理せず安静に。3〜5日で軽減しなければ専門医を受診
- 軽度であれば、靴選び・座り方・ストレッチなどで対処できることも多い
つまり、「お尻〜太ももが痛い=坐骨神経痛とは限らない」し、「関節を柔らかくすれば治る」わけでもないということです。
ご自身の状態に合った対処を見つけていけば、今よりラクに動ける毎日を取り戻すことができます。
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