股関節唇(こかんせつしん)損傷とは?原因や症状について解説

足の付け根に引っかかるような感覚があり、股関節が外れそうな痛みを感じることはありませんか?。

 

それは、もしかすると股関節唇が損傷している可能性があります。

 

股関節唇損傷の主な特徴を以下にまとめました。

 

●股関節唇損傷の特徴

  • 足の付け根に痛みがあり、引っかかりを感じる。
  • 股関節を深く曲げると痛みが生じる。
  • 状態を確認するにはMRI検査が有効である。
  • 保存療法で80%の症状が改善すると報告されている。
  • 股関節の筋力強化だけでなく、骨盤や背骨の可動性を回復させることが重要。

 

足の付け根の痛み 股関節唇

 

このページでは、股関節唇損傷について「一体どのようなものか」とお悩みの方に向けて、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

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股関節唇損傷とは?

股関節唇損傷とは

 

股関節唇は骨盤の縁に付いている軟骨の一部で、大腿骨に吸いつくようにくっついています。

 

股関節唇があることで股関節を安定させます。

 

また、股関節唇はパッキンのような役割もあり「関節内の圧」を保つことで、関節内の潤滑油が滑らかに働きます。

 

股関節唇損傷の症状

股関節唇損傷 症状

 

股関節唇損傷では次のような症状が現れます。

 

●股関節唇損傷の症状

  • 股関節の激痛を感じる。
  • 動き始めに激痛を伴う。
  • 股関節に引っかかりを感じる。
  • 股関節がぐらつく。
  • 股関節が抜けそうな感覚がある。
  • 股関節がはまっていないように感じる。

 

股関節唇には神経が通っているため、損傷すると痛みを感じます。

 

また、「引っかかり感」や「抜けそうな感覚」は股関節唇損傷の特徴的な症状です。

 

股関節唇損傷は単体で起きている場合もあれば、寛骨臼蓋形成不全が原因で股関節唇損傷しているもの、股関節唇損傷が進行し軟骨の傷みが悪化し変形性股関節症になるものなどさまざま。

 

股関節唇損傷の原因

股関節唇損傷 原因

 

股関節唇損傷の原因には次の通りです。

 

●股関節唇損傷の原因

  • スポーツ
  • 過去のケガ
  • 構造の問題
  • 繰り返しの動作
  • 筋力低下
  • 連鎖運動の低下

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

スポーツ

走る、ジャンプする、捻る踏ん張るといった強い負荷が繰り返されることで、股関節唇に無理がかかり損傷することがあります。

 

スポーツ選手の股関節痛の約20%は股関節唇損傷が原因とされています。

 

過去のケガ

交通事故転倒などの強い衝撃が損傷の原因となることがあります。

 

また、軽度の損傷でも時間経過とともに悪化し、痛みを感じる場合もあります。

 

構造の問題

股関節を構成する骨の骨盤側が成長段階でうまく形成されないのが寛骨臼蓋形成不全

 

寛骨臼蓋形成不全はレントゲン検査で「股関節のかぶりが浅い」とも言われます。

 

股関節臼蓋形成不全では、股関節がうまくはまっていないことに加え、運動不足や柔軟性の低下により股関節に負担がかかり股関節唇にも影響を及ぼします。

 

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繰り返しの動作

繰り返しの動作で持続的に股関節への負担が蓄積することで股関節唇が損傷します。

 

例えば、「機械のペダルを踏む」「踏み込み」など、継続的に繰り返し行うことで股関節に負担がかかります。

 

筋力低下

筋力の中でもインナー筋の低下により股関節唇損傷が起こりやすくなります。

 

股関節はインナー筋によって安定を保っています。

 

インナー筋は「繰り返しの動作」「不良姿勢」「運動不足」などにより低下します。

 

連鎖運動の低下

体は連動して動いています。

 

例えば、階段を上るように脚を上げ股関節を曲げる動きは、「骨盤・背骨・肩甲骨・背中の筋肉」などさまざまなパーツを使います。

 

なので、股関節以外の体の不具合が回りまわって股関節の負担になり股関節損傷の原因になります。

 

股関節唇損傷は治る?

股関節唇損傷 治る

 

股関節唇の損傷は自然には修復しないとされています。

 

しかし、保存療法を行うことで、痛みなどの症状は80%の確率で改善するとの報告があります。

 

股関節唇損傷の保存療法とは?

股関節唇損傷の保存療法で大切なのは次の通りです。

 

  • インナー筋の強化
  • ウォーキング
  • 生活習慣の改善
  • ストレッチ

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

インナー筋の強化

上記でもお話ししてように、股関節はインナー筋で支えれれています。

 

なので、関節に負担をかけないためには、インナー筋を強化することが大切です。

 

インナー筋は特殊な動きをするので、強化するなら専門家に相談するのがいいでしょう。

 

こちらはインナー筋を使う参考動画です。

 

 

ウォーキング

スポーツジムでのトレーニングだけではなく、「歩行」に必要な筋力を回復させることが重要です。

 

歩行時の推進力や体重移動のバランスを取り戻すことで、股関節への負担を軽減します。

 

また、「歩行」には推進力、片足立ちなど体重移動するときのバランスも重要になります。

 

なので、スポーツジムで筋トレする前に「しっかりと歩ける力」を回復させることが股関節への負担を軽減させます。

 

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生活習慣の改善

「しゃがむ」「あぐらをかく」などの痛みを誘発する姿勢を避けましょう。

 

また、骨盤や腰椎の動きに悪影響を及ぼす座り方も改善する必要があります。

 

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ストレッチ

ストレッチでは「関節を動かす運動」がおすすめ。

 

これは、股関節唇損傷に限らず股関節のトラブルの原因の一つに「関節の動きが悪くなる」があるから。

 

股関節の動きが悪くなる結果、股関節に負担がかかり痛みを生じやすくなります。

 

なので、ストレッチでは関節を動かす運動を中心にしていくのがおすすめ。

 

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股関節唇損傷はどうやったら分かる?

股関節唇損傷 MRI検査

 

股関節唇損傷は、レントゲン検査や理学検査で診断されることが一般的ですが、確実に見極めるにはMRI検査が有効とされています。

 

股関節唇損傷は手術しないといけない?

 

股関節唇損傷と診断されても、すぐに手術が必要になるわけではありません。

 

保存療法を一定期間試みても改善が見られない場合に、手術を検討するケースが多い。

 

なので、症状や担当医の見解にもよりますが股関節唇損傷と診断されて直ぐに手術というわけではなく、一定期間は保存療法で様子を見て改善が見られない場合、手術へと進むのが多い。

 

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股関節唇(こかんせつしん)損傷とは?(まとめ)

 

 

今回は、股関節唇損傷について解説しました。股関節唇損傷は、股関節の軟部組織が損傷することで痛みや引っかかり感が生じる症状です。

 

⚫️ポイント

  • 特徴:足の付け根に痛みがあり、股関節に引っかかる感じがすることが多いです。深く曲げると痛みが増す。
  • 原因:スポーツや過去のケガ、股関節臼蓋形成不全が主な原因。
  • 診断:MRI検査が有効で確実な診断ができる。
  • 治療法:保存療法で80%の方が症状改善。筋力トレーニングや生活習慣の改善、ストレッチが効果的。
  • 手術の必要性:保存療法で改善しない場合に手術が考慮されますが、初期段階では手術を避けることが一般的。

 

股関節唇損傷は、股関節の軟部組織の損傷によって引き起こされる症状です。

 

正しい知識を持つことで、不安を軽減し適切な対処が可能になります。

 

痛みや違和感を感じた場合は、早めに医師に相談してください。