股関節臼蓋形成不全|座り方・やってはいけないことを解説

  • 股関節臼蓋形成不全ってどんな症状。
  • 股関節臼蓋形成不全はどんな座り方をすればいい?
  • 股関節臼蓋形成不全でやってはいけないことは?

 

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

 

股関節臼蓋形成不全のポイントは、次の通りです。

 

  • 股関節のかぶりが浅いとも言われる。
  • 股関節の開きに制限が出る。
  • ストレッチで無理に広げない方がいい。
  • 日常生活では正しく座る、靴選びも重要。
  • 過度の安静は症状を悪化させるので適度に動く方がいい。

 

この記事では、臼蓋形成不全につて、やってはいけないこと・正しい座り方・日常生活での注意点まで、分かりやすく解説しますので、ぜひ、最後までご覧ください。

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

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股関節臼蓋形成不全とは?

股関節は、「骨盤」と「脚の骨(大腿骨)」で作られる関節です。

 

骨盤側がおわんのような形状で、そこに半球形をした脚の骨がすっぽりとハマるようにできています。

 

このうち、受け皿となる骨盤側(臼蓋)が、何らかの原因によって骨が上手く成長してないものを「臼蓋形成不全」と言います。

 

また、足側の半球形部分を骨盤側がすっぽりと覆っているのが、レントゲンで見た時にかぶりが浅く見えるので「かぶりが浅い」とも言われます。

 

股関節臼蓋形成不全とは?

 

股関節臼蓋形成不全の症状・特徴

股関節臼蓋形成不全の症状・特徴

股関節臼蓋形成不全の症状・特徴について、詳しく見ていきましょう。

 

股関節臼蓋形成不全の症状

股関節臼蓋形成不全の症状には、次の通りです。

 

  • イスから立ち上がるときに股関節が「ピキッ」と痛む。
  • 長時間、歩くと股関節がだるくなる。
  • 股関節に引っかかり感がある。
  • 可動域が狭い(開きに左右差がある)
  • 産後に股関節に痛みがあった

 

上記でお話ししたように、股関節臼蓋形成不全は、かぶり(はまり)が浅い状態です。

 

すると、股関節を安定させようとして、股関節唇が大きくなる傾向があり、股関節唇を損傷しやすいとも言われます。

 

症状は進行すると関節軟骨がすり減り、変形性股関節症に進行する可能性もあります。

 

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股関節臼蓋形成不全の特徴

股関節臼蓋形成不全の特徴には、次の通りです。

 

  • 女性に多い
  • 初期は無症状
  • 症状が出るのは40歳以降に多い
  • 歩幅が狭い

 

股関節臼蓋形成不全の原因

股関節臼蓋形成不全の原因

股関節臼蓋形成不全の原因は、特定のものがある訳ではなく「生まれつき」「発育不全」などさまざま。

 

ここでは、「発育不全」を整体師目線で原因を考察していきます。

 

股関節の発育に影響を与えるものとして、次のようなものが考えられます。

 

●股関節臼蓋形成不全の原因(発育不全)

  • 胎内での成長の遅れ(例: 逆子)
  • 遺伝的要素
  • 先天性股関節脱臼などのトラブル
  • 幼少期のはいはい不足
  • オムツ交換時に脚を強く引っ張られた経験
  • 出産時の股関節への負荷
  • 乳児期の生活習慣(例: おくるみの使用)
  • 転倒や打撲

 

上記のような原因により、骨盤の臼蓋部分が刺激されずにうまく形成されない、発育途中に強い刺激を受けたことが原因になると考えられます。

 

臼蓋形成不全でやってはいけないこと

臼蓋形成不全でやってはいけないこと

股関節臼蓋形成不全でやってはいけないことは、次の通りです。

 

  • 無理に広げる
  • 過度の安静

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

股関節の可動域を無理に広げる

上記でお話ししたように、臼蓋形成不全では、股関節の可動域の制限が出ます。

 

この可動域制限は、骨の形状そのものが関節の可動域を制限しているので、無理に広げてはいけません。

 

可動域を広げようと「痛みを我慢してストレッチ」「ヨガ・ピラティスで無理に運動」などをすると、症状を悪化させる原因になります。

 

なので、臼蓋形成不全で股関節の開きが悪いからといって、無理に広げないようにしましょう。

 

過度の安静

痛みがあると「安静にしていれば良くなる」と考えがちですが、過度な安静は逆効果です。

 

安静にしすぎると、股関節周囲の筋肉(インナーマッスル)や靭帯が弱まり、関節の安定性がさらに低下します。

 

これにより、ちょっとした動作でも痛みが出やすくなります。

 

なので、股関節臼蓋形成不全があるからといって、過度の安静にならにようにしましょう。

 

関連記事:痛みがあるときは歩いてもいい

 

臼蓋形成不全に自転車こぎは効果ある?

 

 

自転車こぎ運動は、座っての運動で股関節への負担が少なく運動できます。

 

また、室内の運動なので、天候や気候に左右されず運動ができるのも嬉しいポイントです。

 

一方、座っての運動なので、「股関節痛の荷重」が無い運動です。

 

股関節は、上半身と脚をつなく大切な関節で、股関節の荷重が無いと、股関節は脆弱化し、上半身を支えられなくなります。

 

また、自転車こぎ運動には、脚を後ろに蹴る動きがありません。

 

後ろに蹴る動きは、「股関節の伸展」と言い、脚が体より後ろに行く動きです。

 

股関節の伸展は、お尻の筋肉を使ったり、骨盤・腰骨を動かす動きになります。

 

もし、臼蓋形成不全の症状を改善するのに、自転車こぎ運動をするなら、ウォーキング股関節の運動と組み合わせて、補助的に取り入れるのがいいでしょう。

 

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臼蓋形成不全を悪化させない座り方

臼蓋形成不全 座り方

股関節臼蓋形成不全を悪化させないためには、正しく座ることも大切です。

 

正しく座るポイントは、「坐骨で座る」ことです。

 

坐骨とは、お尻の下にある骨で、イスに座ったときに直接体重を支える役割を果たします。

 

この坐骨で座ることで、骨盤が立ち、股関節への負担が少なくなります。

 

坐骨座るコツは、次の通りです。

 

  • 椅子に深く座る
  • 椅子の高さを調整する(膝が90°)
  • 足裏を床につける
  • 足指はやや内向き
  • 胸を張って顎を引く

 

この座り方を心がけることで、股関節への負担を軽減しやすくなります。

 

座り方については、「股関節に負担をかけない座り方」の記事をご覧ください。

 

正しく座る

 

股関節臼蓋形成不全と日常生活

股関節臼蓋形成不全は骨の構造の問題であり、痛みを起こさないように上手に付き合うことが大切です。

 

ここでは、臼蓋形成不全と日常生活で上手に付き合うポイントをお話ししていきます。

 

靴選び

股関節にトラブルがある方にとって、靴選びはとても大切です。

 

間違った靴選びは股関節に負担をかけてしまいます。

 

靴選びのポイントは、次の通りです。

 

●クッション性が高いものを選ぶ
→ 歩行時の衝撃を和らげ、股関節への負担を軽減します。

●かかと部分がしっかりしているものを選ぶ
→ かかとが安定することで、歩行時のブレが減り、股関節が安定します。

●幅広サイズ(ワイズ)を選ぶ
→ 足幅の圧迫を避け、痛みが出にくくなります。

 

特におすすめは、整体師目線でも「ニューバランス」のウォーキングシューズ。

 

幅広サイズ展開やクッション性、安定感があり、臼蓋形成不全の方にぴったりです。

 

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体を動かす

上記でお話ししたように、過度の安静は症状を悪化させる一因となります。

 

なので、日常生活で適度に動かすことが大切です。

 

日常生活で適度に動くポイントは、次の通りです。

 

ストレッチを取り入れる
→ 動的ストレッチ

●短時間でもいいので毎日少しずつ動かす
→ 数分でも動かす意識を持つ

 

無理のない範囲で継続することが大切。

 

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まとめ|股関節臼蓋形成不全について

股関節臼蓋形成不全は、生まれつき骨盤の「かぶり」が浅く、関節に負担がかかりやすい状態です。

 

放置すると変形性股関節症に進行するリスクもあるため、早期の理解と正しい対処が重要です。

 

本記事の概要

  • 無理に股関節を広げない・過度に安静にしすぎない
  • 坐骨で座るなど、関節にやさしい座り方を心がける
  • 靴選び・ストレッチなど、日常生活でできるセルフケアを続ける

 

日常生活の中で「悪化させない工夫」を取り入れることで、痛みを軽減し、関節と上手に付き合うことができます。

 

この記事の執筆者

しらひげ鍼灸整骨院 白髭勝博

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