産後の「恥骨痛」がある時は「あぐら」はNG?

  • 産後で恥骨が痛い時はあぐらは良くない?
  • 産後はどんな座り方がいい?
  • 恥骨痛はどこで診てもらえる?

 

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

 

結論、産後の「あぐら」姿勢は出来るだけ避ける方がいいでしょう。あぐらは「骨盤・腰骨」にものすごく負担がかかる姿勢です。産後は骨盤がグラグラなので、あぐら姿勢は腰痛・恥骨痛・股関節痛を起こしやすくなるので、避ける方がいい。

 

恥骨痛 あぐら姿勢

 

産後恥骨痛 恥骨結合

 

産後の骨盤の状態や正しい座り方を知ることで、産後の不調を回避することができますので、ぜひ最後まで読んでください。

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

産後の恥骨痛がある時はあぐらがNGの理由

産後 あぐら姿勢

産後の恥骨痛がある時にあぐらがNGの理由は、次の通りです。

 

  • 産後は骨盤がグラグラ
  • 「あぐら」は骨盤・腰骨に負担がかかる

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

産後は骨盤がグラグラ

出産後1〜2ヶ月は骨盤がグラグラです。

 

なぜなら、産後しばらくは、骨盤が緩むホルモンが出ているから。

 

具体的には、妊娠中は子供が大きくなるにつれて、骨盤が開いていきます。

 

通常の骨盤は、じん帯や筋肉によって支えられていますが、妊娠中はホルモンの影響によって、骨盤を支えている帯や筋肉が緩むようになっています。

 

また、出産時は「産道を広げるため」に、さらに、骨盤がグラグラの状態になります。

 

「あぐら」は骨盤・腰骨に負担がかかる

あぐらは「仙骨座り」の姿勢になります。

 

仙骨で座る

 

あぐら姿勢

 

仙骨座りをすると、骨盤を下から押し上げる力が加わります。

 

すると、恥骨に負担がかかり痛みを起こす原因になります。

 

特に、上記でお話しした、産後の骨盤がグラグラの状態で仙骨座りをすると、ものすごく負担がかかるので避ける方がいいでしょう。

 

産後の恥骨痛対策

産後の恥骨痛対策

産後の恥骨対策は、次の通りです。

 

  • 腰伸ばし運動
  • 円座を使う
  • さらしで骨盤を安定させる
  • 骨盤を冷却
  • 坐骨で座る
  • 股関節の運動をする

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

腰伸ばし運動

腰骨と骨盤は密接な関係です。

 

腰骨の動きが悪くなると、骨盤にも負担がかかります。

 

そんな、腰骨の動きを回復するには、腰伸ばし運動がおすすめです。

 

腰伸ばし運動んいついては、「腰・背中の硬さを解消するストレッチ」の記事をご覧ください。

 

円座を使う

円座は上記の仙骨座りを防止してくれます。

 

産後腰痛の円座の選ぶポイントは、次の通りです。

 

  • 固めを選ぶ
  • 穴が大きいのは会陰切開時用
  • カバーが洗えるタイプがOK
  • 形を矯正するタイプNG

 

「円座を試してみたい」という方は、バスタオルで作る簡易円座を試してみるのもいいでしょう。

 

円座については、「産後の円座について」の記事をご覧ください。

 

さらしで骨盤を安定させる

産後の骨盤ケアには、コルセットや腹巻タイプなどいろいろとありますが、イチ押しは「さらし」

 

さらしのメリットデメリットは、次の通りです。

 

●さらしのメリット

  • 骨盤ベルト:簡単に着けられる。安定感がある。
  • 腹巻タイプ:とにかく着け外しが簡単。かさばらない。
  • さらし  :通気性がいい。ほどよくホールドして骨盤を矯正してくれる。

●さらしのデメリット

  • 骨盤ベルト:骨盤や腰骨の動きをなくしてしまう。ムレる。
  • 腹巻タイプ:安定感が弱い。
  • さらし  :巻くのに手間がかかる。

 

さらしの巻き方については、「さらしの巻き方ガイド」の記事をご覧ください。

 

骨盤を冷却

骨盤・恥骨を「氷水」で冷却しましょう。

 

特に、痛くて歩けないときや動いた後に痛みがある場合は、炎症」が起きている可能性があるので、しっかりと冷却しましょう。

 

また、痛みがなくても出産で骨盤が痛んでいるので、出来る限り冷却しましょう。

 

冷却のやり方については、「アイシングのやり方」の記事をご覧ください。

 

ウォーキングで引き締める

産後に限らず、骨盤のセルフケアにおすすめはウオーキング。

 

骨盤は歩くことで、整い、引き締まります。

 

歩く時は「かかとから…、腰を振って…」とか、難しいことは置いておいて、ゆっくりでいいので歩いて動かすことが大切。

 

ウォーキングシューズを履いて、ウォーキングをするとさらに効果的。

 

ウォーキングについては、「ウォーキングのやり方と注意点」の記事をご覧ください。

 

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股関節に 負担のかからない靴

 

産後はどんな座り方をすればいい?

産後 座り方

骨盤・腰に負担をかけない座り方は、「坐骨」で座ること。

 

坐骨で座る

 

坐骨で座ると、骨盤が立ち、正しく座ることができます。

 

坐骨の座り方については、「腰に負担をかけない座り方」をご覧ください。

 

股関節の運動をする

骨盤は「王冠」のような形をしていて、骨盤自体はほとんど動きません。

 

骨盤は「股関節・腰骨」と一緒にユニットとして動きます。

 

なので、骨盤を動かすんには股関節の動きが重要です。

 

また、昔に比べて現在は「椅子生活」が多くなり、股関節を動かすことが、少なくなってきました。

 

●しゃがむことが減った例

  • 床座で生活→ソファー
  • 和式トイレ→様式トイレ
  • 床で寝る→ベッド
  • 雑巾がけ→ルンバ

 

このように、日常生活でしゃがんだり股関節を深く曲げることが少なくなり、気が付かないうちに、股関節が硬くなっている人が多くなっています。

 

なので、股関節を運動して動かすことはとても大切です。

 

股関節のストレッチについては、「寝ながらできる股関節ストレッチ」の記事をご覧ください。

 

まとめ|産後の恥骨痛とあぐら

産後 恥骨痛

この記事では、「産後の恥骨痛とあぐら姿勢の関係」や「恥骨痛を軽減する座り方・対策方法」について解説しました。

 

要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 産後のあぐらは骨盤・恥骨に大きな負担をかけるためNG
  • 恥骨痛には「坐骨で座る」姿勢や円座の使用が効果的
  • さらしや冷却、股関節の運動などで骨盤をサポートできる
  • ウォーキングや腰伸ばし運動も骨盤ケアに有効

 

産後は、ホルモンの影響で骨盤がグラグラの状態です。

 

そのため、骨盤に負担をかけない正しい座り方やケアが、恥骨痛の緩和において非常に重要なポイントとなります。

 

産後の不調を放置すると、育児や日常生活がツラくなってしまいます。

 

身体にやさしい姿勢とセルフケアで、無理なく産後の回復を目指しましょう。
この記事の執筆者

しらひげ鍼灸整骨院 白髭勝博

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