
・出産してから腰が痛くなった。
・授乳をしていると腰からお尻が痛くなる。
・オムツ交換から立ち上がるのが痛くて直ぐに動けない。
産後の腰痛は「仕方がないもの」と思っていませんか?
実は、日常のちょっとした座り方のクセが、骨盤のゆがみや腰痛を悪化させている場合がとても多いです。
産後は「リラキシン」というホルモンの影響で、骨盤を支えている靭帯がゆるんだ状態になっています。
この状態が産後3〜6ヶ月ほど続くため、座り方ひとつで骨盤への負担が大きく変わります。
産後に骨盤を悪くする座り方は次の通りです。
この記事では、産後に避けたい座り方と、骨盤にやさしい正しい座り方まで、わかりやすく解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
産後に骨盤を悪くする座り方5選
横座り
授乳時に避けたい座り方の1つ目は、「横座り」です。

横座りをすることで、次の2つのデメリットがあります。
- 体全体のゆがみを作る
- 股関節に斜めの動きが作られる
それぞれ、見ていきましょう。
体全体のゆがみを作る
横座りをすると、足先とは反対側に「骨盤は傾き」ます。
右側に足を流している場合は、骨盤が左に傾き、腰椎(腰の骨)は右に傾くようになります。
結果として、腰に左右差の負担が生じて、産後の腰痛が悪化しやすくなります。
赤ちゃんのお世話をしていると「楽だから」という理由で横座りをしがちですが、産後3〜6ヶ月は骨盤が特に不安定な時期なので、意識して避けるようにしましょう。
股関節に斜めの動きが作られる
横座りは、股関節の動きに「斜め」の方向が生まれる座り方です。
股関節は本来、前後・左右にしか動かない関節ですが、横座りは斜め方向への負荷をかけ続けます。
産後の靭帯がゆるんでいる時期にこの座り方を繰り返すと、骨盤のゆがみが定着しやすくなります。
立膝
授乳時に避けたい座り方の2つ目は、「立膝」です。オムツ交換や授乳のときに、ついやってしまう座り方です。
立膝をすることで、「尾骨」が床に当たり、尾骨一点に体重がかかった状態になるため、痛みを起こしやすくなります。
尾骨は手で触るとすぐに触れる場所で、周辺には肉が付いていないため、床への接触で直接ダメージを受けます。
また、立膝でオムツ交換をすることで猫背姿勢になりやすく、首・肩・背中の筋肉にまで張りが起こりやすくなります。
赤ちゃんをお世話するたびにこの姿勢を繰り返していると、腰だけでなく全身に疲労がたまっていきます。
あぐら
授乳時に避けたい座り方の3つ目は、「あぐら」です。
あぐら座りは、立膝よりは尾骨への負担は少ないですが、骨盤を支える筋肉や靭帯が弱いと骨盤に負担がかかります。
産後はホルモンの影響により骨盤を支える靭帯が弱っている状態に加え、運動不足や筋力低下が重なると、座った時に骨盤が不安定になり痛めてしまいます。
運動量の目安は人それぞれですが、たとえば1日の歩数が6,000歩以上を3年以上継続している方であれば、筋肉や靭帯は比較的丈夫な状態と言えるでしょう。
産後の運動不足が気になる方は、まず骨盤底筋を意識した軽い体操から始めるのがおすすめです。
脚を組む
授乳時に避けたい座り方の4つ目は、「脚を組む」です。椅子に座ったときに脚を組む習慣がある方は要注意です。
脚を組むと骨盤に左右差の負荷がかかり、骨盤が傾いた状態が続きます。
産後はただでさえ骨盤がゆるんでいるため、この左右差がそのままゆがみとして定着しやすくなります。
「いつも同じ側に組んでしまう」という方は、骨盤のゆがみが既に始まっているサインかもしれません。
ペンギン座り
授乳時に避けたい座り方の5つ目は、「ペンギン座り」です。両足を外側に開いてペタンと床に座る姿勢のことです。
ペンギン座りは、骨盤が後ろに傾き(後傾)、骨盤底が広がりやすくなります。
産後に骨盤底筋が弱っている状態でこの座り方を続けると、尿漏れや骨盤の不安定感が残りやすくなります。
授乳中など長時間床に座る機会が多い産後は、特に気をつけたい座り方です。
産後の骨盤にやさしい「正しい座り方」
避けるべき座り方がわかったところで、次は骨盤に負担をかけない「正しい座り方」をご紹介します。
椅子に座るときの正しい姿勢
椅子に座るときは、以下のポイントを意識してください。
- 椅子に深く座り、背もたれに軽く背中を沿わせる
- 両足の裏を床にしっかりつける
- 坐骨(お尻の下の骨)に体重が左右均等にかかるように意識する
- 胸を軽く張り、肩の力を抜く
たとえば授乳のとき、ソファの端に浅く腰かけて授乳している方が多いですが、できれば椅子に深く座り、授乳クッションで赤ちゃんの高さを調整するのが腰への負担を減らすポイントです。
床に座るときは正座か胡坐(こざ)で
床に座らなければならない場面では、正座または骨盤を立てた胡坐(股関節に負担をかけない形のあぐら)が比較的骨盤に優しい姿勢です。
正座が辛い方は、折りたたんだバスタオルを坐骨の下に敷くと、骨盤が立ちやすくなって楽に座れます。
授乳・抱っこ時に気をつけたい姿勢のポイント
産後のお母さんは1日に何十回と授乳や抱っこをします。
その一つひとつの姿勢が腰への積み重ねになるため、以下のポイントを意識してみてください。
授乳時のポイント
- 授乳クッションを使って赤ちゃんを胸の高さに近づける(前かがみにならない)
- 背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスする
- 長時間同じ姿勢にならないよう、20〜30分ごとに姿勢を変える
抱っこ時のポイント
- 赤ちゃんを片側の腰にだけ乗せて抱っこするクセをやめ、左右交互に抱っこする
- 抱き上げるときは膝を曲げて腰ではなく脚の力を使う
- 抱っこ中は両足に均等に体重をかけ、片足重心を避ける
産後の骨盤に負担をかけないための3つのケア
座り方の改善と合わせて、産後の骨盤を守るためのケアも取り入れましょう。骨盤に負担をかけないための方法は次の3つです。
- 円座を使う
- さらしを使う
- 骨盤を鍛える
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
円座を使う
産後の骨盤ケアに、円座クッションはとても効果的なアイテムです。
中央に穴が開いているため、尾骨や骨盤底への直接的な圧力を逃がすことができます。
授乳中や食事中など、長時間座る場面で積極的に活用しましょう。
円座がない場合は、バスタオルを丸めて輪にしたもので代用することもできます。
座ったときに尾骨が当たらない高さになっているか確認してみてください。
さらしを使う
産後のゆるんだ骨盤をサポートするために、さらし(骨盤ベルト)を使うことも有効です。
骨盤の周囲を外側から締めることで、ゆるんだ靭帯を補助し、骨盤の不安定感を軽減します。
ただし、締めすぎると血行不良や違和感の原因になるため、「しっかり固定されているが、息苦しくない」程度の締め加減を目安にしてください。
産後すぐから使えるものが多いですが、帝王切開の方は傷口への影響に注意し、担当医に確認してから使用することをおすすめします。
骨盤を鍛える
ゆるんだ骨盤を安定させるためには、骨盤まわりの筋肉を少しずつ鍛えることも大切です。
産後すぐから取り組みやすい運動として、骨盤底筋を意識したトレーニングがあります。
仰向けに寝た状態で、肛門と膣を軽く締めて5秒キープ→ゆっくり緩めるを繰り返すだけで、骨盤底筋に働きかけることができます。
痛みがない範囲で、1日10〜15回を目安に行ってみてください。
体の回復具合によって感じ方は異なりますので、無理のない範囲で続けることが大切です。
産後腰痛はいつまで続く?
産後の腰痛は「いつになったら楽になるの?」と不安に感じている方も多いでしょう。
個人差はありますが、産後3ヶ月以内に最もつらさを感じる方が多く、骨盤を支える靭帯が安定してくる産後6ヶ月〜1年ほどで症状が落ち着いてくるケースが多いです。
ただし、座り方のクセや姿勢の歪みが残っていると、1年を過ぎても腰痛が続く場合があります。
「なかなか楽にならない」「痛みが強くなっている」と感じる方は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
Q. 産後の腰痛がひどくて立ち上がれません。どうすればいいですか?
A. まず安静を優先してください。仰向けに寝て膝を立てた姿勢をとると、腰への負担が軽減して痛みが和らぎやすいです。
痛みが数日経っても改善しない場合は、産婦人科や整骨院に相談しましょう。
産後の腰痛は放置すると慢性化しやすいため、早めのケアが大切です。
Q. あぐらで授乳しています。骨盤に悪いですか?
A. あぐらは横座りや立膝よりは骨盤への負担は少ないですが、骨盤が後ろに傾きやすい姿勢です。
骨盤の下にクッションやバスタオルを敷いて坐骨を高くすると、骨盤が立ちやすくなり負担を減らせます。
授乳クッションを活用して、前かがみにならないように工夫しましょう。
Q. 産後骨盤ベルトはいつから使えますか?
A. 経腟分娩(自然分娩)の方は産後すぐから使えるものが多いです。
帝王切開の方は傷口の回復を優先し、通常産後1〜2ヶ月を目安に医師の許可を得てから使用するのが安心です。
ベルトは骨盤をサポートするためのものなので、正しい位置(骨盤の一番広い部分)に当てて使用してください。
Q. 産後腰痛に整骨院の施術は効果がありますか?
A. はい、産後の骨盤ケアを得意とする整骨院での施術は、多くの方に効果を感じていただいています。
骨盤のゆがみや筋肉の緊張にアプローチすることで、腰痛の症状が軽減されやすくなります。
まとめ
産後の腰痛・骨盤のゆがみは、日々の座り方の積み重ねによって悪化することがあります。
今回ご紹介した「骨盤を悪くする座り方5選」を意識して避けながら、正しい座り方・授乳・抱っこの姿勢を日常に取り入れてみてください。
産後の骨盤は回復途中のデリケートな状態です。
ひとりで抱え込まず、専門家の力も上手に活用しながら、体の回復を進めていきましょう。



