
・服の脱ぎ着がつらい
・夜中に肩がうずいて眠れない
・腕を後ろに回せない
そんな症状に悩んでいませんか?
「年齢のせいかな…」と放っておくと、肩の可動域がどんどん狭くなり、日常生活に大きな支障が出てしまうこともあります。
この記事では、整体歴26年の経験をもとに、四十肩・五十肩の原因や症状、時期別の対処法をわかりやすく解説します。「どうすれば楽になるのか」「やってはいけないことは何か」も具体的にお伝えしますので、肩の痛みでお悩みの方はぜひ最後までお読みください。
五十肩とは?

五十肩とは、肩周辺の症状の総称で、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれています。
つまり、さまざまな要因によって肩に炎症が生じ、痛みや動きの制限を引き起こしている状態を指します。
一般的に40〜50代に多く発症するため、「四十肩・五十肩」と呼ばれていますが、実際には20〜30代や60代以降にも起こることがあります。
四十肩と五十肩の違いは?

四十肩と五十肩に、医学的な違いはありません。どちらも「肩関節周囲炎」の総称であり、症状や原因は同じです。
40代に発症すれば「四十肩」、50代であれば「五十肩」と呼ばれることが多いですが、20代で同じ症状を患っても、広い意味で四十肩・五十肩と呼ぶこともあります。
四十肩・五十肩の症状チェック

四十肩・五十肩の代表的な症状は次の通りです。
- 肩周辺に鈍い痛みがあり、腕の角度によって激痛が走る。
- 頭をかく動作で痛みが出る。
- 手を後ろに回す動きで痛い(ズボンの後ろポケットに手が届かない)。
- 夜中にうずく。寝返りすると腕の痛みで目が覚める。
- 腕が90°以上、上がらない。
- 服の脱ぎ着がつらい。
上記の症状が2つ以上ある場合は、四十肩・五十肩の可能性が高いです。
ただし、腱板断裂(けんばんだんれつ)などの別の疾患と症状が似ている場合もあるため、痛みが強い場合や2週間以上改善しない場合は整形外科への受診をおすすめします。
四十肩・五十肩の原因は?

四十肩・五十肩は「肩関節周囲炎」と呼ばれるように、痛みや症状の根本にあるのは「炎症」です。
- 筋・腱の劣化
- 使い過ぎによる筋・腱の摩耗
- 使い過ぎによる骨の変形
- 使わないことでの可動域の減少
- 姿勢・肩甲骨の動きの影響
また、糖尿病や脂質異常症をお持ちの方は、五十肩になりやすいことも知られています。
血流や代謝の問題で、肩周辺の組織が回復しにくい状態になりやすいためです。
持病のある方は、早めに専門家へご相談ください。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
筋・腱の劣化
運動不足で筋肉や腱が弱ると、少しの負荷でも炎症が起こりやすくなります。
筋肉や腱は適度に動かすことで丈夫さを保つことができます。
しかし、日常的に肩を使う機会が少ないと、筋や腱が弱り、わずかな負担でも炎症を起こしやすくなります。
また、使わないことで血液やリンパの流れが滞り、肩周辺の組織が栄養されにくくなって劣化が進みます。
使い過ぎによる筋・腱の摩耗
繰り返しの動作が積み重なると、筋肉や腱が摩耗し、炎症を引き起こすことがあります。
たとえば、仕事で重いものを持ち続ける方や、「美容師さん」「お花屋さん」などハサミを使う仕事をされている方は、特定の筋肉に繰り返し負荷がかかります。
力こぶの筋肉(上腕二頭筋)の付け根である肩部分は、こうした繰り返しの負担で炎症を起こしやすい場所のひとつです。
使い過ぎによる骨の変形
同じ動作の中で一点に力が集中し続けると、骨に負担がかかり変形が生じます。
骨に「棘(とげ)」のような出っ張りができると、周囲の筋肉を刺激して炎症を引き起こします。
これは肩に限らず、膝・股関節・腰でも起こる現象です。
使わないことでの可動域の減少
長期間動かさないことで、肩関節が”さびついた”状態になり、動きが悪くなります。
日常的に肩を使わないでいると、「さびた状態」で可動域が狭まっていきます。
その状態で大掃除や引っ越しなど急に大きな動きをすると、炎症を起こしやすくなります。
姿勢・肩甲骨の動きの影響
肩関節は肩甲骨と連動して動き、肩甲骨は背骨とつながっています。
「ねこ背」になると背骨の動きが硬くなり、肩甲骨の動きも悪化します。
その結果、肩関節の可動域が減少し、上記の「さびついた状態」が加速します。
四十肩・五十肩の3つの時期
四十肩・五十肩の症状は、大きく3つの時期に分かれます。それぞれの時期によって、対処法が異なります。
急性期(炎症期):発症〜1〜3ヶ月ごろ
強い炎症が出ている時期で、夜間痛が強く出やすいのが特徴です。
少し動かすだけでも激痛が走ることがあります。
この時期は「安静&冷却」が基本です。
無理に動かすと炎症が悪化するため、痛みのある方向への動きは避けましょう。
拘縮期(こうしゅくき):1〜6ヶ月ごろ
強い痛みは少し落ち着いてきますが、代わりに肩の「こわばり」「動きにくさ」が目立つようになります。
腕が上がらない、後ろに回せないといった状態が続きます。
この時期は、痛みを感じない範囲でゆっくり関節を動かすストレッチが有効です。
回復期:6ヶ月〜1〜2年ごろ
痛みが徐々に和らぎ、可動域も回復していく時期です。
ただし、適切なケアをしないと「痛みは引いたが腕が上がらないまま」という状態に固まってしまうことがあります。
この時期は積極的に自分で関節を動かし、機能の回復を促していきましょう。
四十肩・五十肩の特徴

四十肩・五十肩には、次のような特徴的なサインがあります。
- 夜間痛(寝返り時の激痛)
- ドライヤーやお尻に手を回す動きがつらい
- 脊柱管狭窄症と併発するケースも
それぞれ詳しく見ていきましょう。
夜間痛がある
五十肩の大きな特徴の一つが「夜間痛」です。
夜中から朝方にかけて、肩の痛みやうずきが現れます。ひどい場合は寝返りをするだけで激痛が走り、熟睡できないこともあります。
強い炎症や関節内の圧の乱れによって起こります。
ドライヤーがつらい
腕を上げて後頭部あたりを触る動き(ドライヤーをかける動作)がつらくなります。
五十肩では、腕を上げる・肩を捻る動きが制限されやすく、この動作が代表的なサインのひとつです。
お尻に手を回すのがつらい
ズボンの後ろポケットに手を入れる動き(肩を後ろに捻る動作)もつらくなります。
ドライヤーの動作と同様に、肩を捻る動きが制限されている状態です。
脊柱管狭窄症と合わせて発症しやすい
脊柱管狭窄症は背骨が硬くなることで「ねこ背姿勢」になりやすく、それにより肩甲骨の動きが悪化し、五十肩を併発しやすくなります。
当院でも、脊柱管狭窄症で来院される方に五十肩を合わせて抱えているケースが多く見られます。
四十肩・五十肩をほっとくとどうなる?

四十肩・五十肩を放置すると、次のようなことが起こる可能性があります。
- 痛みが軽減するが、可動域は減少したまま
- 症状が徐々に悪化する
- 日常生活に支障が出る可能性が高い
痛みが軽減していく(初期の軽症の場合)
発症初期で可動域の減少が少ない場合は、何もしなくても自然に回復することがあります。
ただし、このケースは比較的まれで、放置が長引くほど「痛みは引いたが動かせない」状態になるリスクが高まります。
痛みが悪化する
長年かけて炎症が起こりやすい状態が体に積み重なって発症するため、放置すると症状は徐々に悪化していくことがあります。
2週間ほど様子を見ても痛みが軽減しない場合は、専門家を受診することをおすすめします。
日常生活に支障が出る可能性が高い
「痛みは引いたが可動域が減少したまま」という状態になることがあります。炎症は落ち着いたが関節が固まったまま、という状態です。
この場合、再び炎症を起こしやすい状態が続くため、早めに可動域の回復に取り組むことが大切です。「痛み」と合わせて「関節の動き」も回復の目安にしましょう。
四十肩・五十肩でやってはいけないこと

五十肩でやってはいけないことは、次の通りです。
- 強いマッサージ
- 極度の安静
- 温める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
強いマッサージ
五十肩の根本原因は「炎症」です。強いマッサージは炎症を悪化させる可能性があるため、急性期には特に避けてください。
どうしてもほぐしたい場合は、患部を「さする」程度にとどめましょう。
「気持ちいい」と感じることと「回復に向かうこと」は別物です。
極度の安静
安静にし過ぎると、筋肉やじん帯がさらに劣化し、可動域がさらに狭まってしまいます。
五十肩は「動かさないこと」も発症のきっかけになるため、回復においても「自分で動かすこと」が大切です。
ただし、人の手や機械で無理に動かすことは過剰刺激になる場合があるため、あくまで「自分のペースで動かす」ことを心がけましょう。
温める
「冷えると痛い」というイメージから、患部を温めたくなる気持ちはよく理解できます。ただし、五十肩の急性期に温めると、炎症がさらに強くなる可能性があります。
温めることでその瞬間は楽に感じても、後から痛みが強まることもあります。
急性期は温めるより冷やすことを優先しましょう。
四十肩・五十肩の激痛はいつまで?

五十肩の強い痛みは、おおよそ10〜25日ほど続くことが多いです。
その後、徐々に強い痛みは落ち着いてきますが、油断すると繰り返すこともあります。
また、痛みが落ち着いても、関節の可動域は減少したまま固まっていることがあります。
五十肩全体の経過としては、急性期・拘縮期・回復期を合わせると、数ヶ月〜2年程度かかることもあります。
「気づいたら自然に落ち着いていた」という方もいれば、ケアをしないと長引くケースも多いため、早めに適切な対処を始めることが大切です。
四十肩・五十肩で痛い時はどうすればいい?

五十肩で痛みが強いときは、「安静」にして「冷却」をしましょう。それぞれ詳しく見ていきましょう。
四十肩・五十肩で痛い時は安静にする
痛みが強い急性期は、無理に動かさないようにしましょう。
特に「少し動かすと激痛が走る」「どの方向に動かしても痛い」という場合は、まず安静を優先してください。
ただし、「極度の安静」にも注意が必要です。
安静にしながらも、できる範囲で日常的な動作(食事・着替えなど)は行うようにしましょう。
四十肩・五十肩で痛い時は冷却をする
急性期の痛みが強いときは、アイシング(冷却)が有効です。
冷却のやり方は次の通りです。
- 氷・水・袋(氷のう)を用意する。
- 氷水を作る。
- 肩に当てる(前・後・真ん中どこでもOK)。
- 20分ほど冷却したら休憩。
- 1時間ほど間隔を空けてから、冷却を繰り返す。
- 1日に4〜5回ほどを目安に行う。
▶︎関連記事:アイシングのやり方
四十肩・五十肩を改善するストレッチ

痛みの強い急性期が落ち着いてきたら、「関節を自分で動かすストレッチ」が回復のカギになります。ポイントは「関節を動かすこと」を意識すること。
人の手や機械で動かすのではなく、自分の力で関節を少しずつ動かすストレッチが効果的とされています。
具体的なストレッチの方法は下記の動画を参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 四十肩・五十肩は何科を受診すればいい?
まずは整形外科を受診することをおすすめします。
レントゲンやMRIなどで腱板断裂など別の疾患がないかを確認することが大切です。
整骨院では、筋肉・関節・神経へのアプローチを通じて、痛みの緩和や可動域の改善をサポートします。
医師の診断を受けたうえで、整骨院を並行して利用するのも良い方法です。
Q2. 五十肩はどれくらいで楽になりますか?
急性期(激しい痛み)はおおよそ1〜3ヶ月続くことが多く、その後拘縮期・回復期と移行していきます。
症状全体が落ち着くまでには数ヶ月〜2年程度かかるケースもあります。
ただし、適切なケアを早期から取り組むことで、回復を早めることが期待できます。
Q3. 放っておけば自然に楽になりますか?
軽症であれば自然に症状が和らぐこともあります。
しかし、「痛みは引いたが腕が上がらない」という状態で固まってしまうケースも少なくありません。
日常生活に支障が出ている場合や、2週間以上改善しない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
Q4. 整骨院で五十肩のケアはできますか?
はい、整骨院では筋肉・関節・神経へのアプローチを通じて、五十肩の痛みの緩和や可動域改善のサポートが可能です。
しらひげ鍼灸整骨院では、時期(急性期・拘縮期・回復期)に合わせた施術を行っています。お気軽にご相談ください。
Q5. 糖尿病があると五十肩になりやすいですか?
はい。糖尿病や脂質異常症をお持ちの方は、血流や代謝の問題で肩の組織が回復しにくくなるため、五十肩になりやすいとされています。
また、発症した場合も回復に時間がかかる傾向があります。持病のある方は、早めに専門家へご相談ください。
四十肩・五十肩の原因や対処法(まとめ)

この記事では、四十肩・五十肩の原因・症状・3つの時期・悪化を防ぐための注意点・正しい対処法・再発予防のためのストレッチ法まで、整体師の視点から詳しく解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 四十肩・五十肩は肩関節の炎症によって起こる症状の総称。
- 「夜間痛」「後ろに手が回らない」「ドライヤー動作がつらい」などの特徴的な症状がある。
- 症状は急性期→拘縮期→回復期の3段階で変化し、時期に応じた対処が大切。
- 原因は加齢だけでなく、使いすぎ・使わなさすぎ・姿勢の悪化・基礎疾患なども関係する。
- NG行動は、強いマッサージ・極度の安静・温めすぎ。
- 激痛期は安静&冷却を徹底し、痛みが和らいだら「自分で関節を動かすストレッチ」が大切。
放置すると「痛みは引いたが動かせない」まま固まることも多いため、早めの対処が重要です。
日常生活に支障が出る前に、早期の対応を心がけましょう。
肩の痛みは、体からの「使い方・姿勢の見直しサイン」です。
正しい方法でケアを続けることで、腕が自由に動く日常を取り戻していきましょう。
四十肩・五十肩でお悩みの方は、しらひげ鍼灸整骨院までお気軽にご相談ください。