股関節痛のすべて|原因・症状・改善ストレッチ・靴選びまで徹底解説

  • 股関節が痛くなる原因を知りたい。
  • この痛みを放置すると変形性股関節症になる?
  • 歩くのがツラいので杖を使ってもいい?

 

こうした股関節痛の悩みを抱える方は少なくありません。

 

この記事では、股関節痛の主な原因から代表的な症状、変形性股関節症や臼蓋形成不全の特徴まで、専門家の視点でわかりやすく解説します。

 

さらに、日常生活でできる予防法や痛みを改善するための運動・ストレッチ、靴選びのポイントまで詳しく紹介。

 

「なぜ痛みが起こるのか」「どうすれば症状が改善するのか」と悩む方に、解決のヒントをお届けしますので、ぜひ、最後まで読んでください。

 

それでは、さっそく見ていきましょう。

 

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 股関節痛の原因|日常生活で潜むリスク

股関節痛の原因にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。

 

股関節痛と運動不足

運動不足は股関節に次のような悪影響を与えます。

 

  • 関節の動きを悪くする。
  • 周辺の筋肉や靭帯が弱る。

 

股関節は体の重さを支えなが動く関節です。

 

なので、良い状態を保つにもある程度、体重をかけて動かすことが大切です。

 

股関節痛と座り方

イスに浅く座って背中を丸めた姿勢(仙骨座り)は、骨盤や腰骨に負担をかけます。

 

仙骨座りが習慣化すると、骨盤や腰骨の動きが悪くなり、股関節に悪影響を及ぼします。

 

私が臨床をしていても、腰からきている股関節痛の方は非常に多いです。

 

▶︎関連記事:股関節に負担をかけない座り方

 

正しく座る

 

股関節痛と姿勢

上記の座り方とセットで、姿勢も股関節痛の大きな影響を与えます。

 

姿勢が悪いと言うことは、背骨の動きが悪くなっている状態です。

 

背骨の動きが悪くなると、骨盤が上手く動かず股関節の動きも悪くなります。

 

臨床の現話では、姿勢に問題から股関節痛を起こしている方も多くみます。

 

また、成長期に姿勢の問題がある方は「歯並び」「顎関節症」の問題を抱えている方も多いです。

 

▶︎関連記事:背骨をしなやかにする運動

 

股関節痛と靴選び

サイズの合っていない靴、目的が違う靴、靴底がすり減った靴、クッション性の低い靴を履いていると、股関節痛を起こす要因になります。

 

何気なく履いている靴ですが、股関節に与える影響が大きです。

 

▶︎関連記事:疲れない靴の選び方

 

股関節痛の症状

股関節痛の症状には、どんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

 

動き始めのズキッとする痛み

股関節痛で特に多いのが「動き始めのズキッとする痛み」です。

 

例えば、朝起きて立ち上がった瞬間や、長時間座った後に歩き出した時に、股関節に強い痛みを感じることがあります。

 

動き始めに痛みには、次のような要因があります。

 

  • 股関節唇の損傷
  • インナーマッスルの低下による関節の不安定
  • 周辺の筋肉の張り

 

股関節周辺の筋肉痛

股関節痛が続くと股関節周辺の筋肉に負担がかかります。

 

その結果、お尻や太ももの外側、膝の周辺など、股関節以外の筋肉にも痛みが出ることがあります。

 

こうした痛みは、「股関節痛の二次症状」とも言え、根本的な原因である「関節の動き」を改善することが重要です。

 

特徴的な歩き方

股関節痛が進行すると、歩き方に特徴的な症状が現れます。

 

最初は足を引きずるように歩く「跛行(はこう)」が見られ、さらに悪化すると、身体を左右に揺らしながら歩くようになる方もあります。

 

また、靴底外側が早くすり減る、足裏にタコが出来る方もいます。

 

変形性股関節症の特徴

股関節の軟骨がすり減り、痛みや動きの制限が現れる変形性股関節症にはどんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

 

変形性股関節症の特徴

変形性股関節症は、40〜60代の女性に多い病気です。

 

特に「臼蓋形成不全」と呼ばれる、生まれつき股関節の受け皿が浅い方は、若い頃は痛みがなくても、加齢とともに関節に負担がかかり、変形性股関節症を発症しやすくなります。

 

また、過去のケガや運動習慣、肥満、出産経験なども発症リスクを高める要因です。

 

変形性股関節症については「変形性股関節症の症状を解説」の記事をご覧下さい。

 

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変形性股関節症とは

 

痛みが出やすい場所と症状

変形性股関節症の痛みは、股関節の奥や太ももの付け根、お尻、膝にかけて出ることが多いです。

 

症状の初期には「動き始めにズキッと痛む」「立ち上がるときに痛い」といった一瞬の痛みが出やすく、進行すると歩くたびに痛みを感じるようになります。

 

また、階段の昇り降りや靴下を履く動作がつらくなるのも特徴です。

 

手術が必要になるケースとは?

変形性股関節症が進行し、保存療法(運動療法や生活習慣の改善、痛み止めなど)で症状が改善しない場合、手術が検討されます。

 

特に、痛みが強くて日常生活に支障をきたす場合や、股関節の変形が進んで歩行が困難になった場合は、人工股関節置換術が選択肢となります。

 

ただし、すぐに手術が必要なわけではなく、まずは自分の状態を正しく理解し、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。

 

変形性股関節症の手術については、「変形性股関節症は手術をしないといけない?」の記事をご覧ください。

 

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変形性股関節症 手術

 

寛骨臼蓋形成不全の特徴

寛骨臼蓋形成不全とはどんなものか、詳しく見ていきましょう。

 

寛骨臼蓋形成不全の特徴

寛骨臼蓋形成不全は、生まれつき股関節の受け皿(臼蓋)が浅く、大腿骨頭が不安定になりやすい状態を指します。

 

「股関節のかぶりが浅い」とも言われます。

 

特徴としては、次のようなものがあります。

 

  • 女性に多い
  • 生まれつきだが症状は40代以降に出ることが多い
  • 股関節の開きに左右差がある

 

寛骨臼蓋形成不全の症状

寛骨臼蓋形成不全の症状は、次の通りです。

 

  • 動き始めにピキッと痛い
  • 股関節唇損傷を伴う
  • 股関節を内に向けにくい

 

寛骨臼蓋形成不全は、変形性股関節症へと進行しやすいので注意が必要です。

 

股関節臼蓋形成不全については、股関節臼蓋形成不全について記事をご覧下さい、

 

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かぶりが浅い 股関節臼蓋形成不全

 

股関節唇損傷の特徴

股関節唇損傷とはどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。

 

股関節唇損傷の特徴

股関節唇とは、骨盤の縁にある軟骨組織で、クッションや関節の安定性を保つ役割があります。

 

股関節唇損傷の特徴は、次の通りです。

 

  • レントゲンでは判らない
  • 繰り返しの動作で起きる
  • 損傷してても症状が出ないこともある
  • 臼蓋形成不全・変形性股関節症と併発する

 

足の付け根の痛み 股関節唇

 

 股関節唇損傷の症状

股関節唇損傷の症状は、次の通りです。

 

  • 股関節の前面に痛みが出る
  • 動き始めにズキッとした痛みを感じる
  • 関節が引っかかるような感覚がある
  • 股関節を動かせなくなる「ロッキング症状」
  • 関節が抜けるような感じや不安定感

 

上記でお話ししたように、レントゲンでは判らないので、症状があっても「股関節に異常は無い」と診断を受けることも多いです。

 

股関節唇損傷については、「股関節唇損傷についての記事をご覧ください。

 

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股関節痛を改善する運動とストレッチ

股関節痛を改善するにはどんな運動が良いのか、詳しく見ていきましょう。

 

股関節痛改善の運動・ストレッチ

股関節痛を改善するためには、「関節を動かす運動」がとても大切です。

 

関節は動かすことで潤滑液が循環し、関節の滑らかな動きが保たれる仕組みになっています。

 

また、関節を動かすことで周辺の筋肉や靭帯も動かすことができます。

 

おすすめの運動は、次の通りです。

 

  • ウォーキング
  • ラジオ体操
  • インナートレーニング

 

歩行不足や痛みで動かさない時間が長いと、股関節の可動域が狭くなり、さらに痛みを引き起こす悪循環になります。

 

そのため、痛みが出にくい範囲で関節をゆっくり動かし、股関節周辺の筋肉や靭帯の柔軟性を保つことが大切です。

 

股関節の運動については、股関節痛を撃退する寝ながらできるストレッチ」の記事をご覧ください。

 

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ストレッチ時の注意点とポイント

「股関節が硬いからストレッチで柔らかくしよう」と頑張りすぎると、逆に悪化する場合があります。

 

ストレッチを行う時の注意点は、次の通りです。

 

  • 痛みが強くなるほど伸ばさない
  • 呼吸を止めない・息を吐きながらう動かず
  • 反動をつけて勢いよく伸ばさない
  • 痛みが出た場合はすぐに中止する
  • 人と比べない

 

股関節が柔らかくなったからといって、股関節痛が改善する訳では無いので、無理をしないようにしましょう。

 

股関節のストレッチについては、「股関節ストレッチは毎日していい?」の記事をご覧ください。

 

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股関節痛におすすめの靴

股関節痛のおすすめの靴は「ニューバランス880」です。

 

ニューバランス880はニューバランスを代表するウォーキングシューズで、クッション性、安定性歩きやすさが備わっています。

 

また、ニューバランスはクッション性が良く、足のことを考えた設計になっているのでおすすめです。

 

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股関節痛にインソールは必要?

股関節痛改善にインソールは不要です。

 

インソールは、股関節痛を治す「治療器具」ではなく、歩行時の負担を軽減する「サポートアイテム」として使うのがおすすめです。

 

股関節の痛みは、筋力低下や姿勢の崩れ、骨盤や腰の連動した動きの問題など、体全体のバランスの乱れが原因となっているケースが多いです。

 

そのため、インソールだけで根本改善するのは難しいのが。

 

また、上記で紹介したウォーキングシューズであれば、クッション性がいい素材が内蔵されているので不要。

 

職場指定の靴などでクッション性が不十分な場合は、インソールを活用すると良いでしょう。

 

インソールを選ぶ際は、足の形を強制するタイプではなく、クッション性のあるものがおすすめです。

 

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股関節痛とデスクワーク

「デスクワークで座っているだけなのに股関節が痛くなるの?」と疑問に思う方もおられると思います。

 

結論は、デスクワークでの股関節痛は非常に多いです。

 

デスクワークで股関節痛が起きる要因は、次の通りです。

 

  • 仙骨座り
  • 運動不足
  • 背骨の柔軟性の低下

 

股関節痛は使い過ぎでも、使わなさ過ぎでも起こります。

 

デスクワークで起きる股関節痛についてはデスクワークで起きる脚の付け根の激痛の記事をご覧ください。

 

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産後の股関節痛

産後はホルモンの影響で骨盤が不安定になりやすく、抱っこや授乳などの動作で股関節に負担がかかりやすい時期です。

 

特に「立膝座り」や「骨盤が後傾する座り方」は、仙腸関節や股関節に痛みを引き起こすリスクがあります。

 

産後の股関節痛を予防するポイントは、次の通りです。

 

  • 座るときは坐骨で座り、骨盤を立てる
  • さらしを活用して骨盤を安定させる
  • 重いものを持つときは体幹を意識して持ち上げる
  • 長時間同じ姿勢を避け、こまめにストレッチをする

 

産後の股関節痛についは、「産後の股関節痛の記事をご覧下さい。

 

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股関節痛とスポーツ

スポーツは健康維持に大切ですが、正しいフォームや体づくりを怠ると股関節を痛めやすくなります。

 

特に、ゴルフやヨガ、バドミントン、エアロビクスなど股関節を大きく動かす競技では注意が必要です。

 

股関節を痛めないためには、次のことが大切です。

 

  • ストレッチだけでなく、股関節を支える筋力も鍛える
  • 準備運動でインナーマッスルにスイッチを入れる
  • 痛みを感じたら無理せず休息をとる
  • 正しいフォームを意識し、偏った動きにならないようにする

 

これらを心がけることで、スポーツによる股関節のトラブルを予防できます。

 

股関節痛とスポーツについては、「スポーツと股関節痛について」の記事をご覧ください。

 

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まとめ|股関節痛のすべて

股関節痛に悩んでいる方の多くが、「なぜ痛いのか」「どうしたら良くなるのか」を知りたいはずです。

 

ここでは、股関節痛を改善するためのステップとして、原因と症状の把握、日常生活の見直し、そして専門家への相談について詳しく解説します。

 

痛みの原因と症状を把握しよう

股関節痛を改善するための第一歩は、自分の痛みの原因と症状を正しく把握することです。

 

運動不足や生活習慣(座り方・靴選び)、姿勢の問題、変形性股関節症や臼蓋形成不全など、股関節痛の原因は多岐にわたります。

 

また、「動き始めにズキッとする痛み」「股関節周辺の筋肉痛」「歩き方に現れる特徴的な症状」など、自覚症状にも個人差があります。

 

  • 自分の生活習慣や過去のケガを振り返る
  • 症状が出やすい動作やタイミングをメモしておく
  • どの症状が強いかを把握する

 

これらを整理しておくと、改善へのステップが見えやすくなります。

 

正しいケアと日常生活の見直しが大切

痛みを改善するためには、原因に合った正しいケアと日常生活の見直しが大切です。

 

例えば、デスクワーク中の姿勢、靴選び、ストレッチのやり方、運動の頻度や強度などを調整することで股関節への負担を軽減できます。

 

  • 股関節に負担をかけない座り方(坐骨で座る・骨盤を立てる)
  • クッション性のある靴やインソールの活用
  • 股関節を動かす運動(ラジオ体操やウォーキングなど)
  • 無理なストレッチは避ける(筋肉や関節を痛める可能性あり)

 

日々の小さな工夫が、股関節痛の予防・改善につながります。

 

症状が改善しない場合は専門家に相談を

セルフケアを続けても痛みが改善しない場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、整形外科や専門の整体院で診断を受けることが大切です。

 

変形性股関節症や臼蓋形成不全など、専門的な治療が必要な場合もあります。

 

  • 歩行が困難になってきた
  • 痛みで夜も眠れない
  • 痛みが数週間以上続く
  • 膝や腰にも痛みが出てきた

 

こうした症状があれば、早めの受診を検討しましょう。

 

専門家に相談することで、原因に合った治療方針を見つけやすくなります。

 

この記事の執筆者

しらひげ鍼灸整骨院 白髭勝博

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