「股関節の痛みが続くけれど、手術は本当に必要?」、
「整形外科を受診したらお薬とシップを出されて、痛みが続くようなら手術をしましょうと言われたけど、本当に手術をしないといけないの?」、
そんなお悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
この記事では、手術を決める前に知っておきたい3つのポイントを整体師目線で解説します。
●ポイント
- 痛みの原因は軟骨のすり減りだけではない。
- 手術のメリット・デメリットを整理する。
- ライフスタイルへの影響を考慮する。
手術はあくまで選択肢のひとつ。さまざまな知識や情報を持つことで、自分に合った最善の方法が見つかります。迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、さっそく見ていきましょう。
変形性股関節症について
変形性股関節症の特徴は次の通り。
●変形性股関節症の特徴
- 爪が切りにくい
- 階段の下りがツラい
- 異常歩行(破行 はこう)
- 自転車がこげない
- 脚の長さに差が出る
- 音が鳴る(ポキポキ、ゴリゴリ)
変形性股関節症についてさらに詳しく知りたい方は、「変形性股関節症の症状や痛みの原因について」をご覧ください。
変形性股関節症になるのは年のせい? どうして軟骨がすり減るのか? 変形性股関節症と言われたらどうしたらいい? 股関節の軟骨がすり減り、歩行時や階段の上がり下り時に強い痛みを起こす変形性股関節[…]
変形性股関節症は手術しないといけない?
変形性股関節症の手術について次の順で解説していきます。
- 専門医を受診
- 軟骨のすり減りだけが痛みの原因ではない
- ライフスタイルへの影響
- 手術のメリットデメリット
- 自分の決断
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
専門医を受診
変形性股関節症と診断されたら、次は「股関節の専門医」を受診しましょう。
医師は「整形外科」「内科」「耳鼻咽喉科」など各科目の専門分野に分かれます。
そして、専門分野からさらに専門分野に分かれます。例えば、整形外科であれば「腰専門」「膝専門」「肩専門」「股関節専門」のように、各部位の専門医に分かれます。
変形性股関節症と言われて「手術だけは絶対にしたくない」と思う方もいらっしゃると思いますが、まずは今の身体の状態が本当に手術をしなくていい状態なのかを確認しましょう。
また、半年に1回程度は整形外科を受診し、レントゲンやMRI検査を受けて、軟骨のすり減り具合を確認し進行状況を確認することも大切です。
股関節専門医・医学博士のJimmy先生の意見も参考にしてみて下さい。
軟骨のすり減りだけが痛みの原因ではない
股関節が痛くてレントゲン検査を受けると軟骨がすり減っていて、隙間が狭くなっている画像を見ると、「股関節の痛みの原因は軟骨のすり減りだ」「やはり手術するしかない」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、実際には関節の隙間が狭くなって、骨と骨が当たっていても痛みを感じない方もいらっしゃいます。
股関節の痛みを起こす原因には「関節内の炎症」「股関節唇の損傷」「周辺筋肉の張り」「仙腸関節の問題」などがあります。
なので、変形性股関節症で関節の隙間が狭くなっていても、上記の問題を解決することで、痛みを軽減・痛みが起きにくい状況を作ることはできます。
ライフスタイルへの影響
上記でお話ししたように変形性股関節症で起きている「痛み」はさまざまな方法で軽減することはできます。
その上で、日常生活に大きく影響を与えていないのであれば、急いで手術を考えなくてもいいのではないでしょうか。
まずは、今の痛みの原因がどこ起きているのかを把握する。
そして、痛みが起きないように保存療法を試みる。保存療法で現状を維持できるなら経過観察をする。
とは言え、「痛みの原因やどんな保存療法をしたらいいのか分からない」とお悩みの方は、当院のお越し頂ければお身体の状態を診てお話をさせていただきます。
変形性股関節症に注射・再生医療は効果ある?
注射・再生医療についてはよく聞かれますが、私は医師でも薬剤師でもありません。
また、注射・再生医療を受けたことも無いので「効果について良い・良く無い」と言える立場でないというのが正直なところです。
注射・再生医療についても股関節専門医・医学博士のJimmy先生が分かりやすく解説されているので参考にしてみてください。
変形性股関節症手術のメリットデメリット
このでは、手術のメリットデメリットについてお話しをしていきます。メリットデメリットを整理することで理解が深まります。
変形性股関節症の手術をするメリット
変形性股関節症の手術をするメリットは次の通り。
●手術をするメリット
- 痛みの軽減
- 可動域の改善
- 生活の質の向上
関節可動域が改善され、生活の質が向上するのは大きなメリットと言えます。
変形性股関節症の手術をするデメリット
変形性股関節症の手術をするデメリットは次の通り。
●手術をするデメリット
- 入院しないといけない
- 脱臼のリスク
- 姿勢や歩行バランスが整うワケではない
- 周辺関節の負担が大きくなる
手術をいたことで防御意識が高くなり、手術した股関節を必要以上にかばって、周辺関節に負担がかかる方もいらっしゃいます。
変形性股関節症手術はゴールではない
手術をすればスッキリと痛みなく動けると思いがちですが、手術は動きが悪くなった関節を入れ替えです。
なので、術後のリハビリに加え、歩行バランスを整えたり周辺筋肉を安定させるために、今まで以上にウォーキングや運動をすることも重要です。
そうしなければ、手術をしても股関節の痛みや歩行の困難、さらには膝の痛みが解消されない場合があります。手術は通過点でありゴールではないと考えるのがいいでしょう。
変形性股関節は手術をしないといけない?(まとめ)
今回は、変形性股関節症の手術について、決断前に押さえておきたいポイントをお話しました。
●記事のポイント
▶︎痛みの原因は軟骨のすり減りだけではない
・ 関節の炎症や周辺筋肉の影響も考慮する必要がある 。
▶︎手術のメリット・デメリットを整理する
・痛みの軽減や可動域の改善が期待できるが、入院や脱臼リスクもある 。
▶︎ライフスタイルへの影響を考える
・日常生活に大きな支障がなければ、手術を急ぐ必要はない 。
▶︎専門医の診断を受ける
・進行状況を把握し、適切な治療法を選択することが重要 。
▶︎手術はゴールではなく通過点
・ 術後のリハビリや体のケアが、快適な生活を送るカギ。
変形性股関節症の治療方法は、症状の進行度やライフスタイルによって異なります。
手術を決める際は、不安を整理し、専門家と十分に相談することが大切です。自分に合った最善の選択をするための参考にしてください。