
「歩くと足がしびれるけれど、何が原因なの?」
「脊柱管狭窄症と診断されたけれど、どんな症状が起きるの?」
そんな疑問を感じていませんか?
脊柱管狭窄症では、足のしびれや歩きにくさ、足裏の違和感などが出ることがあります。症状が強くなると、長く歩くことがつらくなる場合もあります。
この記事では、脊柱管狭窄症の原因や代表的な症状をはじめ、日常生活で注意したいことや運動方法、夜に痛みやしびれが出たときの対処法まで解説します。
脊柱管狭窄症は、原因や症状によって対処の考え方が変わります。この記事を読めば、自分の症状を確認しながら、日常生活で何に気をつければいいのかが分かります。
脊柱管狭窄症について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
脊柱管狭窄症とは?

背骨は、真ん中に穴が空いた骨が積み重なってできています。
この穴がつながることで、神経が通るトンネルができます。このトンネルを「脊柱管」と呼びます。
何らかの原因で脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで、足のしびれや痛み、歩きにくさなどの症状が出ることがあります。
このような状態を「脊柱管狭窄症」といいます。
脊柱管狭窄症の原因

脊柱管狭窄症の原因は、大きく2つのタイプに分けられます。
- 腰の骨に異常があるタイプ
- 腰の骨に明らかな異常がないタイプ
腰の骨に異常があるタイプでは、「すべり症」や「分離症」などが代表的です。
一方で、画像検査で腰の骨に大きな異常が見つからなくても、脊柱管が狭くなって症状が出る場合があります。
脊柱管狭窄症の原因について、さらに詳しく知りたい方は、「脊柱管狭窄症の原因は何?」をご覧ください。
脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症では、足のしびれや歩きにくさなど、下半身に症状が出ることがあります。
代表的な症状は次の通りです。
⚫️脊柱管狭窄症の症状
- 間欠跛行:少し歩くとしびれが強くなり、休むと楽になる。
- 立っているとしびれる:同じ姿勢で立っていると、しびれが強くなる。
- 足裏の違和感:靴下を2枚履いているような感覚が出ることがある。
- 腰を反らしにくい:腰を反らすと、痛みやしびれが出ることがある。
- 足に力が入りにくい:踏ん張りにくい、力が抜けるように感じることがある。
- 排尿の変化:頻尿や尿漏れなどがみられることがある。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
長く歩けない
脊柱管狭窄症では、長く続けて歩くことがつらくなる場合があります。
少し歩くと足のしびれや痛みが強くなります。ところが、少し休むと症状が軽くなり、また歩けるようになることがあります。
このような症状を「間欠跛行」といい、脊柱管狭窄症でみられる代表的な症状の一つです。
立っているとしびれが強くなる
台所での作業や立ち話など、同じ姿勢で立っていると足のしびれが強くなることがあります。
一方で、台所で肘をついて体を支えると、しびれが出にくい場合があります。
「立っているとつらいけれど、少し前かがみになると楽になる」という場合は、姿勢によって症状が変化している可能性があります。
足裏の違和感
足の裏に、普段とは違う感覚が出ることがあります。
たとえば、「靴下を2枚履いているような感覚」や「健康サンダルを履いているような感覚」です。
また、足に力が入りにくくなり、「踏ん張りがきかない」「力が抜ける感じがする」と感じる場合もあります。
腰を反らすと症状が出る
脊柱管狭窄症の方の中には、腰を反らす動作がつらく感じる人もいます。
「腰を反らすとしびれが出る」「仰向けになるとしびれる」など、姿勢によって症状が変化する場合があります。
腰より足に症状が出ることがある
脊柱管狭窄症では、腰だけでなく足に症状が出ることがあります。
特に、足のしびれや痛み、歩きにくさなどが主な悩みになる場合があります。
そのため、「腰はそれほど痛くないのに、足がしびれて歩きにくい」というケースもあります。
頻尿・尿漏れ・便秘
脊柱管狭窄症では、まれに排尿や排便に関する症状がみられることがあります。
ただし、頻尿や尿漏れ、便秘は加齢やほかの病気などでも起こります。そのため、これらの症状だけで脊柱管狭窄症によるものとは判断できません。
特に、尿が出にくい、排尿をコントロールできない、足に力が入りにくいなどの症状が急に出た場合は、早めに医療機関を受診してください。
脊柱管狭窄症でやってはいけないこと

脊柱管狭窄症では、症状によっては注意したい対処があります。
⚫️注意したい対処
- 長時間の安静
- 症状が出やすい仙骨座り
- 痛みやしびれが強くなるストレッチ
- 長時間のコルセット使用
良かれと思って行っていることでも、症状によっては負担になる場合があります。
脊柱管狭窄症でやってはいけないことについてさらに詳しく知りたい方は「脊柱管狭窄症のときにやってはいけないこと」の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の症状がある方が自分でできる運動

脊柱管狭窄症の方は、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。
おすすめの運動は次の3つです。
⚫️おすすめの運動
- ウォーキング
- ラジオ体操
- おへその上下運動
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ウォーキング
ウォーキングは、背骨だけでなく体全体を動かせる運動です。
背骨・骨盤・股関節・膝・足首を連動させて動かすことで、全身の動きを意識しやすくなります。
間欠跛行があり、長く歩けない場合は、無理に歩き続ける必要はありません。しびれが強くなる前に休憩しながら歩きましょう。
すべり症や分離症がある場合は、無理をせず短い時間から始めることをおすすめします。
「杖」や「押し車」を使っている方は、無理に外す必要はありません。歩行が安定している範囲で、自分の足を使って歩くことを意識しましょう。
ラジオ体操
ラジオ体操は、全身の関節を大きく動かす運動です。
ただし、腰を強く反らすなど、痛みやしびれが出る動作は無理に行わないようにしましょう。
「すべての動きをしっかり行う」のではなく、症状が出ない範囲で体を動かすことがポイントです。
おへその上下運動
おへその上下運動は、四つ這いになり、おへそを上下に動かす運動です。
おへそを動かすときは、息を吐きながらゆっくり大きく動かします。
おへそを下に向けたときは腰が反るため、しびれが出る場合は無理に動かさないようにしてください。
運動は10回を1セットの目安にし、無理のない範囲で行いましょう。
ただし、運動中に痛みやしびれが強くなる場合は中止しましょう。


寝るときに痛みやしびれで寝れない

夜、痛みやしびれで眠れないときは、腰を少し曲げる姿勢を試してみましょう。
⚫️寝るときの対処法
- 仰向けで膝の下にタオルを入れる
- 横向きで背中にタオルを置く
- 抱き枕を使って体勢を安定させる
仰向けで寝るときは、膝の下にバスタオルを入れてみましょう。膝が少し曲がることで、腰を反らしにくくなります。
横向きで寝る場合は、背中にタオルを置くと体勢を保ちやすくなります。抱き枕を使って、体を安定させる方法もおすすめです。
ただし、腰を曲げることで必ず症状が楽になるとは限りません。痛みやしびれが強くなる場合は、無理に姿勢を続けないようにしてください。



脊柱管狭窄症と坐骨神経痛の違いは?

脊柱管狭窄症と坐骨神経痛は、同じものではありません。
⚫️脊柱管狭窄症と坐骨神経痛の違い
- 脊柱管狭窄症: 神経の通り道である脊柱管が狭くなった状態
- 坐骨神経痛: お尻から足にかけて出る痛みやしびれなどの症状
脊柱管狭窄症は、骨の変化や靱帯の厚みが増すなど、脊柱管が狭くなっている状態を指します。
一方、坐骨神経痛は病名ではなく、お尻から足にかけての痛みやしびれなどを表す言葉です。
脊柱管狭窄症によって坐骨神経痛の症状が出ることもありますが、椎間板ヘルニアなど、ほかの原因で起こることもあります。
つまり、「脊柱管狭窄症は状態」「坐骨神経痛は症状」と考えると、違いが分かりやすいです。
脊柱管狭窄症と坐骨神経痛の違いについてさらに詳しく知りたい方は「脊柱管狭窄症の原因」の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症は手術しないといけない?

脊柱管狭窄症と診断されたからといって、すべての方が手術をするわけではありません。
症状の程度や日常生活への影響を確認しながら、手術が必要かどうかを検討します。
原因で考える
脊柱管狭窄症の原因として、すべり症や分離症など、腰の骨に変化がある場合があります。
こうした骨の変化があり、痛みやしびれによって日常生活に大きな支障が出ている場合は、整形外科で手術を含めた治療について相談することが大切です。
整体などの施術だけで対応するのではなく、まず現在の状態を確認してもらいましょう。
症状で考える
足のしびれや痛みだけでなく、排尿がしにくい、尿をうまくコントロールできないなどの症状がある場合は、早めに専門医へ相談してください。
一方、間欠跛行があって長く歩けなくても、日常生活をある程度送れている場合もあります。
「できれば手術を避けたい」と考えている方は、医師と相談しながら、運動療法や姿勢の見直しなど、手術以外の方法を検討する場合もあります。
手術のメリット・デメリットで考える
手術を検討するときは、メリットだけでなくデメリットも確認しましょう。
⚫️手術をするメリット
- 痛みやしびれの改善が期待できる。
- 症状によっては、早期の改善につながる場合がある。
- 歩行や日常生活の負担が軽くなることがある。
⚫️手術をするデメリット
- 入院が必要になる場合がある。
- 術後にリハビリが必要になる場合がある。
- 手術をしても、しびれなどの症状が残る場合がある。
- 状態によっては、将来的に再手術が必要になる場合がある。
手術を検討するときは、メリットだけ、デメリットだけを見るのではなく、自分の症状や生活への影響を考えて判断することが大切です。
脊柱管狭窄症と診断されたからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。
一方で、症状や状態によっては手術を検討したほうがよい場合もあります。まずは整形外科で現在の状態を確認し、自分に合った治療方法を相談しましょう。
「手術をする前に、自分でできることをできるだけ試したい」「ほかの人の意見も聞いてみたい」という方は、当院でもお話を伺っています。
症状やこれまでの経過を確認したうえで、今できることを一緒に考えていきましょう。
手術については「変形性股関節症は手術をしないといけない?」の記事も参考にして見てください。
Q&A|よくある質問

ここでは、脊柱管狭窄症についてよくある質問にお答えします。
Q.脊柱管狭窄症と坐骨神経痛の違いは何ですか?
脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなった状態です。
一方、坐骨神経痛は、お尻から足にかけて出る痛みやしびれなどの症状を指します。
つまり、脊柱管狭窄症は状態、坐骨神経痛は症状と考えると分かりやすいでしょう。
Q.脊柱管狭窄症でやってはいけないことはありますか?
腰を強く反らす動作や、痛みやしびれが強いときに無理に歩き続けることは避けましょう。
前かがみになると症状が楽になる方もいるため、自転車などの運動を取り入れる方法もあります。
ただし、症状が強くなる動作は無理に続けないようにしてください。
Q.脊柱管狭窄症にウォーキングは効果的ですか?
ウォーキングは、無理のない範囲で体を動かす方法の一つです。
ただし、歩くと足のしびれや痛みが強くなる場合があります。長く歩けない方は、休憩をはさみながら行いましょう。
腰を反らすとつらい方は、やや前かがみの姿勢のほうが楽に歩ける場合があります。
Q.脊柱管狭窄症はラジオ体操をしてもいいですか?
ラジオ体操は、全身の関節を動かせる運動です。
ただし、腰を大きく反らす動作で痛みやしびれが出る場合は、無理に行わないようにしましょう。
症状が出ない範囲で、気持ちよく動かせる動作を取り入れてください。
Q.脊柱管狭窄症は手術しないと改善しませんか?
脊柱管狭窄症と診断されたからといって、すべての方に手術が必要になるわけではありません。
症状によっては、運動療法や姿勢の見直しなど、手術以外の方法を検討する場合もあります。
ただし、足に力が入りにくい、排尿がしにくい、症状が急に悪化した場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
まとめ|脊柱管狭窄症について

この記事では、脊柱管狭窄症の症状や原因、運動、日常生活での注意点、手術について解説しました。
要点をまとめると、次の通りです。
- 代表的な症状は、間欠跛行、足のしびれや違和感など
- 原因は、すべり症や分離症など骨に変化がある場合と、明らかな骨の異常がない場合がある
- 運動は、症状に合わせてウォーキングやラジオ体操などを無理のない範囲で行う
- 痛みやしびれが出る動作は無理に続けない
- 手術は、症状の程度や日常生活への影響などを確認して検討する
脊柱管狭窄症と診断されたからといって、すぐに手術が必要になるわけではありません。
まずは自分の症状や体の状態を確認し、無理のない範囲で運動や日常生活の姿勢を見直してみましょう。
足に力が入りにくい、排尿がしにくい、症状が急に悪化した場合は、早めに整形外科へ相談してください。
この記事の執筆者

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