
「膝が痛いのは、年をとったから仕方ない」と思っていませんか?
確かに年齢は膝に影響を与える要因のひとつです。
しかし、膝痛の多くは年齢だけが原因ではありません。日常生活の姿勢や動きのクセ、筋肉の弱り、体重の負担、過去のケガなど、さまざまな要素が絡み合って痛みが起きています。
この記事では、膝痛が起こる原因をひとつひとつ丁寧に解説します。
「なぜ自分の膝は痛いのか」を理解することが、改善と再発予防の第一歩です。
ぜひ最後までご覧ください。
膝痛の原因
膝痛の原因は、次の通りです。
- 筋肉や靭帯の弱り
- ちょこちょこ動く
- デスクワークでずっと曲げている
- リンパ循環不全
- 股関節が外を向いている
- 重心バランスの乱れ
- 腰、股関節、足首からの影響
- 繰り返し使う
- ケガ(転倒して打つ)
- 過去のケガ、半月板
- 体重・肥満
- O脚・X脚
- 痛風
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
筋肉や靭帯の弱り
膝は筋肉や靱帯で覆われていて、適度に使うことで良い状態を保つことができます。
しかし、使わないと劣化して、弱っていきます。
たとえば、デスクワークや車での移動が多い生活では、脚を使う機会が少なくなり、徐々に膝の筋肉や靱帯が弱っていきます。
これは視覚化しにくいため、「歳のせい」「体重が増えた」などと誤解されることもあります。
特に、膝を支える大腿四頭筋(太ももの前面にある筋肉)が弱くなると、膝への負担が直接大きくなります。
歩くときは体重の約2〜3倍、階段の上り下りでは約6〜7倍もの力が膝にかかるといわれており、筋力が低下するほどその負担は膝関節に集中してしまいます。
ちょこちょこ動く
ちょこちょこ動くことは、膝痛を引き起こす原因になります。
これは、関節を動かす範囲が狭く、筋肉や靱帯の伸び縮みが少ないためです。
ちょこちょこした動きには、次のものがあります。
- 飲食店のホール
- 家事
- 保育士
- 看護師
- ショップ店員
一見立ち仕事で動いているように見えますが、動き自体はちょこちょこしたものが多いため、膝周辺の筋肉や靱帯に負担がかかります。
また、ちょこちょこした動きは膝にものすごく負担がかかります。たとえば「自転車の動き始め」ではものすごく力が必要ですよね。
身体も同じで、動きはじめにものすごく力を使います。
なので、筋肉や靭帯が弱い状態でちょこちょこした動きをすると、膝に負担をかけて痛みを起こす原因になります。
デスクワークでずっと膝を曲げている
デスクワークで膝を長時間曲げていると、関節が固まり、膝が痛くなります。
たとえば、長時間の座り姿勢から立ち上がる時に腰が痛くなるのと同じように、膝も同じ状態をしていると固まり、動かすときに痛みを感じることがあります。
在宅ワークが増えた現代では、1日8時間以上座り続ける方も珍しくありません。
「立ち上がるときだけ痛い」「しばらく歩くと楽になる」という方は、このパターンに当てはまる可能性があります。
リンパの循環不全
リンパの流れが悪くなると、膝が腫れて痛みを引き起こします。
特に長時間膝を曲げていると、リンパが通る管が圧迫され、流れが悪くなり腫れぼったい状態になります。
これを放置すると、さらに循環が悪化し、膝痛が悪化します。
股関節が外を向いている
股関節が外を向くと膝に捻れが生じ、膝痛の原因となります。股関節の捻れが強い場合、半月板を痛めることもあるため注意が必要です。
座る姿勢や歩き方を見直すことが、予防につながります。
●股関節が外を向く人の特徴
- 立って後屈ができない
- 猫背
- 足が外側体重になっている
- 足裏の小指・外側にタコがある
- 靴の外側が減る
- 脚を開いて座る
- 横座りをする
- 繰り返し足首の捻挫をした
- 強い足首の捻挫をしたことがある
イスに座るときに腰がずり落ちた座り方では、骨盤が後ろを向いて股関節が外に開くクセができるので注意してください。
重心バランスの乱れ
重心バランスが崩れると、膝の痛みを起こす原因になります。
本来、脚には「5:5」と均等に体重が乗っているはず。
しかし、何らかの原因で身体のバランスが崩れて7:3になったとします。
すると、片足の負担が大きくなり痛みを起こす原因になります。
「靴の片方だけ」がすり減ったり傷んでいる場合は、重心バランスが崩れている可能性があるので注意しましょう。
腰、股関節、足首からの影響
上記の重心バランスが乱れる原因のひとつに、腰、股関節、足首の影響があります。
たとえば、左の腰が痛くて体重が乗せられないとします。
すると右側に体重を乗せるバランスになり、右膝に負担がかかって炎症を起こす原因になります。
「膝に直接原因が見当たらないのに痛い」という方は、腰や股関節、足首の状態を一緒に確認することが大切です。
繰り返し使う
繰り返し使う動きには、次のものがあります。
- 介護・保育士・スーパーの品出しなど、しゃがむ動作が多い
- ミシンなど繰り返しペダルを踏む
- 小さいお子さんの世話でしゃがむことが多い
- スポーツでジャンプする・捻る・踏み込む動作がある
意識がなくても、知らず知らずのうちに繰り返し使っていることもよくあります。
また、買い物や旅行でたくさん歩いた、地区の運動会で久しぶりに運動をした、引っ越しでたくさん動いたなども、痛みを作る原因になります。
ケガ(転倒して打つ)
「雨の日に駅のホームで転倒した」「駐車場のブロックにつまずいた」「道の段差を踏み外した」など、日常生活で転倒して膝を打撲することは意外に多いものです。
また、同じところを繰り返し打つと膝の負担は大きくなります。
過去のケガ・半月板損傷
半月板とは、膝のクッションの役割をしているものです。
この半月板が何らかの原因で損傷していると、膝に負担がかかります。
半月板は損傷していても痛みや症状を感じなかったり、日常生活に支障が出ていない人もいます。
半月板の損傷自体では膝に痛みが出ていなくても、膝に負担をかける原因となり、炎症を起こす一因になります。
体重・肥満
体重が増えると、それだけ膝にかかる負担も大きくなります。
人が平地を歩くときには体重の約2〜3倍、階段を上り下りするときには約6〜7倍もの力が膝関節にかかるといわれています。
たとえば体重が5kg増えただけでも、階段では30〜35kg分の負担が余分に膝にかかる計算になります。
「最近体重が増えた」「コロナ禍から運動習慣が減った」という方は、体重管理も膝痛対策のひとつとして意識してみてください。
O脚・X脚
O脚やX脚は、膝への力のかかり方を偏らせる原因になります。
O脚の場合は膝の内側に集中して負担がかかりやすく、内側の軟骨や靭帯が傷みやすくなります。日本人の変形性膝関節症の約8割は内側の軟骨がすり減る「内側型」といわれており、O脚との関係が深いと考えられています。
「昔からO脚だけど特に痛みはなかった」という方も、年齢とともに筋力が落ちてくると症状が出始めることがあります。
複合(複数の原因が重なる)
ここまで紹介してきた膝を傷める原因が複数重なり、膝に炎症や痛みを起こすことも多いです。
「え!そんなことで」と思うような小さなことでも、複数が重なると大きな痛みの原因になります。
「特に思い当たることがない」という方も、いくつかの要因がじわじわと積み重なっているケースが多いので、ひとつずつ振り返ってみてください。
痛風
上記の原因とは別に、「尿酸値」が高い方は痛風の炎症が膝にできることもあります。
痛風は足の親指の付け根に起きやすいイメージがありますが、膝に炎症が生じるケースも珍しくありません。
尿酸値が高い方、痛風経験がある方は、膝にも痛風の炎症ができるということを覚えておきましょう。
痛みの場所から探る原因のヒント
膝のどのあたりが痛むかによって、原因のヒントになることがあります。
ただし、自己判断での診断は難しいため、あくまでも目安としてご参照ください。
膝の内側が痛い
膝の内側の痛みでよく見られるのが、「鵞足炎(がそくえん)」や「変形性膝関節症(内側型)」です。
鵞足炎は膝の内側やや下方に付着する腱が炎症を起こした状態で、ランニングや階段の上り下りで悪化しやすいのが特徴です。
また、O脚の方は内側に負担が偏りやすいため、内側の軟骨がすり減りやすい傾向があります。
膝の外側が痛い
膝の外側の痛みで代表的なのが「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」です。
太ももの外側から脛(すね)にかけて走る靭帯が、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで炎症を起こす状態です。
ランニングをする方に多く、「ランナー膝」とも呼ばれます。
お皿(膝蓋骨)の周りが痛い
お皿の上や周辺の痛みには、「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」や「大腿四頭筋腱炎」などが考えられます。ジャンプや急な踏み込みを繰り返すスポーツをする方に多く見られます。
成長期のお子さんでは「オスグッド病」という疾患が膝のお皿の少し下に痛みを起こすことがあります。
日常生活でできるセルフケア
膝の痛みを感じているとき、日常生活の中でできることをいくつかご紹介します。
ただし、強い痛みや腫れ・熱感がある場合は無理をせず、まず専門家に相談してください。
太ももの筋肉をゆるめる
膝の痛みには、太もも(大腿四頭筋やハムストリングス)の硬さが影響していることが多いです。
椅子に座った状態で、太ももの前面や裏をゆっくりさするようにマッサージするだけでも、膝周りの緊張が和らぐことがあります。
長時間同じ姿勢を避ける
デスクワーク中など、1時間に1回は立ち上がって足踏みや軽いストレッチをする習慣をつけましょう。
「座りっぱなし」は膝の循環を悪化させ、立ち上がったときの痛みにつながります。
靴を見直す
クッション性のない靴やかかとが極端に減った靴は、膝への衝撃を増やします。
自分の足に合った靴を選ぶこと、靴底の減り方が左右で偏っていないか定期的にチェックすることも大切です。
膝を冷やさない
血行が悪くなると膝周りの筋肉が硬くなりやすくなります。
冷房の効いた部屋では膝をひざ掛けで保温したり、入浴でしっかり温めることを意識してみてください。
まとめ|膝痛の原因
この記事では、「膝痛のさまざまな原因」について詳しく解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 膝痛は年齢だけが原因ではなく、筋肉や靭帯の弱り、日常生活のクセが影響している
- ちょこちょこ動く/長時間座る/しゃがむ/繰り返し使う動作は膝に負担をかけやすい
- 股関節や腰、足首の歪み・ズレが、膝に間接的な影響を与えているケースも多い
- 重心バランスの乱れや体重増加、O脚・X脚も見逃せない要因
- 過去のケガ・半月板損傷も膝の炎症を引き起こす一因になる
- 痛風など、内科的な要因で膝に炎症が出ることもある
このように膝の痛みは「これだけが原因」という単純なものではありません。
「日常の姿勢や動きのクセ」「筋力の低下」「体重」「過去のケガ」など、複数の要素が重なることで膝痛が起きていることが多いのです。
まずは原因に気づくことが、改善と再発予防の第一歩です。
「年のせい」とあきらめず、根本原因に目を向けて対策を進めていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 膝痛は放置しても自然に改善しますか?
A. 一時的な炎症や筋肉疲労による痛みであれば、安静にすることで症状が落ち着くこともあります。
ただし、原因となっている姿勢のクセや筋力の弱りを放置したままでは、繰り返し痛みが出やすくなります。
「改善してはまた痛くなる」を繰り返している場合は、根本原因へのアプローチを検討してみてください。
Q. 膝が痛いときは動かさないほうがよいですか?
A. 強い痛みや腫れ・熱感がある急性期は安静が基本ですが、慢性的な膝の痛みの場合は「動かさないこと」が逆効果になることもあります。
筋肉は使わないとどんどん弱くなり、膝への負担がさらに増してしまいます。
痛みの程度に合わせて、無理のない範囲で適度に動かすことが大切です。
Q. 整形外科と整骨院、どちらに行けばよいですか?
A. 膝が激しく腫れている・熱を持っている・歩けないほどの痛みがある場合は、まず整形外科でレントゲン等の検査を受けることをおすすめします。
一方、「慢性的なだるさや痛みが続いている」「姿勢や体のバランスを整えたい」という場合は整骨院・鍼灸院でのアプローチが力になれることがあります。
Q. 膝痛は体重を落とせば改善しますか?
A. 体重を落とすことで膝への物理的な負担を減らせるため、改善のサポートになることがあります。
ただし、体重だけが原因ではなく、筋力低下や姿勢のクセなど複数の要因が絡んでいるケースも多いです。
体重管理とあわせて、膝を支える筋力を維持・強化することが大切です。
Q. 膝痛にはどんな施術が行われますか?
A. 整骨院・鍼灸院では、膝周りの筋肉や関節への手技施術、鍼灸による血行促進・緊張の緩和、骨盤や股関節など膝に影響を与えている部位へのアプローチなどを組み合わせて行います。
しらひげ鍼灸整骨院では、膝だけを診るのではなく「なぜ膝に負担がかかっているのか」という根本原因を探りながら施術を進めています。
膝の痛みでお悩みの方は、しらひげ鍼灸整骨院にお気軽にご相談ください。「年のせいだから」とあきらめず、まず一度ご相談いただければと思います。



