ズキズキと痛む【四十肩・五十肩】の原因や対処法を徹底解説

「服の脱ぎ着がつらい」「夜中に肩がうずいて眠れない」「腕を後ろに回せない」、そんな症状に悩んでいませんか?

 

年齢のせいかな?と放っておくと、肩の可動域がどんどん狭くなり、日常生活に大きな支障が出てしまうこともあります。

 

●記事のポイント

1. 五十肩の正体は「肩関節の炎症」
→筋肉や腱の劣化、使い過ぎ、可動域の低下、姿勢の悪化などが原因。

2. 四十肩と五十肩の違いは呼び方だけ
→本質的な症状や原因は同じで、年代により呼ばれ方が異なる。

3. やってはいけないNG行動
→強いマッサージ・過度な安静・温めすぎは悪化の原因に。

4. 激痛期は「安静&冷却」が基本
→無理に動かさず、氷で20分ほど冷却を1日4〜5回が効果的。

5. 改善には「正しいストレッチ」と「再発予防」
→痛みが引いたら「関節を自分で動かすストレッチ」で機能回復を。

 

この記事では整体歴25年の経験を基に、四十肩・五十肩の原因や症状、対処法を分かりやすく解説します。

 

肩の痛みでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

 

それでは、さっそく詳しくみていきましょう。

 

五十肩とは?

五十肩とは?

五十肩とは肩周辺の症状の総称で医学的には、「肩関節周囲炎」と言います。

 

つまり、さまざまな要因により、肩に炎症ができて症状を起こしているものを、「五十肩」と言います。

 

一般的に、40〜50代に好発するために、四十肩・五十肩と呼ばれています。

 

四十肩と五十肩の違いは?

四十肩と五十肩の違い

四十肩と五十肩の違いは特にありません。

 

五十肩が肩周辺の症状の総称のように、四十肩も周辺の症状の総称。

 

あかり
20代だったら二十肩?

 

しらひげ先生
間違えではないけど二十肩とはあまり言わないね、20代でも四十肩・五十肩と言うよ。

四十肩・五十肩の症状チェック

四十肩・五十肩 症状チェック

四十肩・五十肩の特徴は、次の通りです。

 

●四十肩・五十肩の症状チェック

  • 肩周辺に鈍い痛みがあり、腕の角度によって激痛が走る。
  • 頭をかく動作で痛みが出る。
  • 手を後ろに回す動きで痛い。
  • 夜中にうずく。
  • 寝返りすると腕の痛みで目が覚める。
  • 腕が90°以上、上がらない。
  • 服の脱ぎ着がツラい。

 

上記の症状が2つ以上ある場合は、四十肩・五十肩の可能性が高いです。

 

四十肩・五十肩の原因は?

四十肩・五十肩 原因

四十肩・五十肩は、「肩関節周囲炎」と言われるように、痛みや症状を起こす原因は「炎症」です。

 

●炎症を起こす原因

  • 筋・腱の劣化。
  • 使い過ぎによる筋・腱の摩耗。
  • 使い過ぎによる骨の変形。
  • 使わないことでの可動域の減少。
  • 姿勢・肩甲骨の動きの影響。

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

筋・腱の劣化

運動不足で筋肉や腱が弱り、少しの負荷で炎症が起こりやすくなります。

 

筋肉や腱は適度に使うことで、丈夫さを保つことができます。

 

しかし、運動不足肩を使うことが少ないと筋や腱が弱り、少しの負荷でも負担がかかりやすくなります。

 

すると、炎症を起こします。

 

また、使わないことで、血液やリンパの流れが悪くなり、肩周辺の筋や腱が栄養されない劣化し、負担がかかりやすくなります。

 

使い過ぎによる筋・腱の摩耗

繰り返しの動作で、筋肉や腱が摩耗したり、骨が変形して炎症を引き起こすことがあります。

 

例えば、仕事で重量物を持つ方は、繰り返しの負荷で負担がかかり、筋肉や腱が摩耗して炎症を起こしやすくなる。

 

また、「美容師さん」や「お花屋さん」などハサミを使う仕事では、ハサミを握るときに「上腕二頭筋」と言って、力こぶの筋肉に繰り返し負担がかかり、上腕二頭筋の付け根である肩で炎症を起こしやすくなります。

 

使い過ぎによる骨の変形

炎症を起こす原因の三つ目は、「使い過ぎによる骨の変形」。

 

同じ動作の中でも一点に力が集中した状態だと、骨に負担がかかり変形を起こします。

 

すると、骨に「棘(とげ)」ができ、筋肉を刺激すると炎症を起こします。

 

しらひげ先生
変形は肩に限らず膝・股関節・腰などどこでも起こるよ。

使わないことでの可動域の減少

長期間動かさないことで、肩関節が錆びつき、動きが悪くなることが要因となります。

 

運動不足など日常的に使わないと、「サビた状態」になり可動域が減少します。

 

すると、サビた状態で大掃除や片付けなど、急に使う炎症を起こす原因になります。

 

姿勢・肩甲骨の動きの影響

炎症を起こす原因の五つ目は、「姿勢・肩甲骨の動きの影響」。

 

肩の関節は、肩甲骨と連動して動きます。

 

肩甲骨は背骨に連動して動きます。

 

つまり、肩関節、肩甲骨、背骨は連動して動いています。

 

例えば、「ねこ背」は背骨の動きが悪くなります。

 

すると、肩甲骨の動きも悪くなり、肩関節の可動域の減少に繋がります。

 

すると、上記で解説した、肩の関節がサビた状態になり、炎症を起こしやすくなります。

 

身体が連動して動くに関してはニンジャアナトミーの動画を参考にしてみて下さい。

 

四十肩・五十肩の特徴

50肩 特徴

四十肩・五十肩の特徴は、次の通りです。

 

●四十肩・五十肩の特徴

  • 夜間痛(寝返り時の激痛)
  • ドライヤーやお尻に手を回す動きがつらい
  • 脊柱管狭窄症と併発するケースも

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

夜間痛がある

五十肩の特徴一つ目は、「夜間痛」。

 

夜中から朝方にかけて、「肩の痛み」や「うずき」が現れます。

 

ひどい時には、寝返りをするだけで激痛が走り、熟睡ができないこともあります。

 

あかり
どうして夜間痛が起きるの?

 

しらひげ先生
炎症期で炎症が強く痛みを感じやすかったり、関節内の圧の乱れによるとも言われるよ。

ドライヤーがツラい

五十肩の特徴二つ目は、「ドライヤーがツラい」。

 

具体的には、腕を上げて後頭部あたりを触る動き

 

五十肩では、腕を上げる肩を捻る動きがツラくなります。

 

お尻に手を回すのがツラい

五十肩の特徴三つ目は、「お尻に手を回すのがツラい」。

 

具体的には、「ズボンの後ろポケット」を触る動き。

 

こちらも上記と同様に、肩を捻る動きのためツラい動きとなります。

 

脊柱管狭窄症と合わせて発症しやすい

五十肩の特徴四つ目は、「脊柱管狭窄症と合わせて発症しやすい」。

 

脊柱管狭窄症は、背骨が硬くなりねこ背姿勢になるから。

 

ねこ背姿勢で背骨のしなりがなくなり、背骨の柔軟性がなくなると、脊柱管狭窄症になりやすくなります。

 

すると、上記で解説した「肩甲骨の動き」が悪くなり、五十肩になりやすくなります。

 

しらひげ先生
当院に脊柱管狭窄症で来られる方は、五十肩も合わせて発症している方が多い。
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四十肩・五十肩をほっとくとどうなる?

四十肩・五十肩をほっとくとどうなる?

四十肩・五十肩をほっておくと、次のようなことになる可能性があります。

 

●四十肩・五十肩をほっておくと起きること

  • 痛みが軽減するが可動域は減少したまま
  • 症状が徐々に悪化する
  • 日常生活に支障が出る可能性が高い

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

痛みが軽減していく

五十肩をほっとくと、痛みが軽減していく可能性があります。

 

五十肩の初期で関節可動域の減少も少ない場合は、何も無かったかのように回復することがあります。

 

痛みが悪化する

五十肩をほっとくと、痛みが悪化することがあります。

 

長年かけて肩に炎症ができやすい状態が作られ、何らかの切っ掛けで炎症が起こり、五十肩と自覚するようになります。

 

肩の痛みが出したのが急でも、炎症を起こしやすい状態が長年かけて作られているので、ほっとくと段々と症状が悪化していきます。

 

日に日に症状が悪化したり、2週間ていど様子を見ても、痛みが軽減しないようであれば、専門医を受診する方がいいでしょう。

 

日常生活に支障が出る可能性が高い

五十肩をほっとくと、「痛みは軽減するが可動域は減少したまま」になることがあります。

 

これは、炎症は治ったが関節の動きは固まったままの状態。

 

この場合、痛みは軽減しても炎症を作りやすい状態で日常生活に支障が出る可能性があります。

 

しらひげ先生
「痛み」と合わせて「関節の動き」も回復の目安にするといいよね。

四十肩・五十肩でやってはいけないこと

四十肩・五十肩でやってはいけないこと

五十肩でやってはいけないことは、次の通りです。

 

●四十肩・五十肩でやっていけないこと

  • 強いマッサージ
  • 極度の安静
  • 温める

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

強いマッサージ

五十肩でやってはいけないこと1つ目は、「強いマッサージ」。

 

理由は、炎症が強くなるから。

 

上記で解説したように五十肩の原因は炎症。

 

特に強いマッサージは、炎症が強くなり悪化する可能性があるので気をつけましょう。

 

もしマッサージーをするなら軽く「さする」程度にしておきましょう。

 

よく「痛み」はマッサージで筋肉をほぐせば、良くなるとされがちですが、「気持ちいい」と「回復」は別モノです。

 

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極度の安静

五十肩でやってはいけないこと2つ目は、「極度の安静」。

 

安静にし過ぎることで、固まってしまうから。

 

五十肩は動かさないことで、筋肉やじん帯が劣化したり、可動域が減少して炎症が起こりやすい状況ができて発症します。

 

なので、回復にも予防にも「動かすこと」が大切。

 

動かすに時のポイントは、「自分で動かす」こと。

 

人の手や機械で動かすと、過剰刺激になり悪化する可能性があります。

 

なので、動かすのは自分で動かすようにしましょう。

 

温める

五十肩でやってはいけないこと3つ目は、「温める」。

 

理由は、温めると炎症が強くなり症状が悪化する可能性があるから。

 

よく「冷えると」と痛くなると言います。

 

確かに、冷えると痛みを感じるセンサーが敏感になるので痛みを感じやすくなります。

 

しかし、五十肩の原因は炎症なので、温めると逆効果。

 

温めるとその時は気持ちいいかも知れませんが、炎症が強くなる可能性もあります。

 

なので、五十肩の場合は、無理に温めるのは避けましょう。

 

四十肩・五十肩の激痛はいつまで?

四十肩・五十肩 激痛

五十肩の強い痛みは、おおよそ10〜25日ほど続きます。

 

その後、徐々に強い痛みは治ってきますが、油断すると繰り返すこともあります。

 

また、痛みが治っても、関節の可動域は減少したままで固まっていることもあります。

 

四十肩・五十肩で痛い時はどうすればいい?

五十肩 肩痛い

五十肩で痛みが強いときは、「安静」にして「冷却」をしましょう。

 

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

 

四十肩・五十肩で痛い時は安静にする

五十肩で痛みが強いときは、「安静」にしましょう。

 

理由は、強い炎症が出ている時期だから。

 

上記で解説したように、五十肩の原因の一つに「運動不足」があります。

 

なので、改善するのは動かした方がいい

 

しかし、痛みが強く出ている時期は、無理に動かさないようにしましょう。

 

特に、「少し動かすと激痛が走る」どの方向に動かしても痛い」場合は安静にしましょう。

 

四十肩・五十肩で痛い時は冷却をする

五十肩で痛みが強いときは、「冷却」をしましょう。

 

冷却のやり方は、次の通りです。

 

●冷却のやり方

  • 氷・水・袋(氷のう)を用意する。
  • 氷みずを作る。
  • 肩に当てる(前、後、真ん中どこでもOK)。
  • 20分ほど冷却したら休憩。
  • 1時間ほど間隔を空けたら、冷却を繰り返す。
  • 1日に4〜5回ほどする。

 

しらひげ先生

冷却については下記の記事や動画も参考にしてみて下さい。

 

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四十肩・五十肩を改善するストレッチ

四十肩・五十肩 ストレッチ

 

五十肩を改善するストレッチは下記の動画を参考にしてみて下さい。

 

 

 

しらひげ先生
ポイントは「関節を動かすこと」を意識してみて下さい。

四十肩・五十肩の原因や対処法(まとめ)

四十肩・五十肩 対処法

今回は四十肩・五十肩の原因や対処法について解説しました。

 

五十肩とは「肩周辺の炎症」のことで四十肩も五十肩も呼び方が違うが同じもの。

 

●炎症を起こす原因

  • 筋・腱の劣化。
  • 使い過ぎによる筋・腱の摩耗。
  • 使い過ぎによる骨の変形。
  • 使わないことでの可動域の減少。
  • 姿勢・肩甲骨の動きの影響。

●四十肩・五十肩の特徴。

  • 夜間痛がある
  • ドライヤーがツラい。
  • お尻を触るのがツラい。
  • 脊柱管狭窄症と合わせて発症しやすい。

 

炎症が強く痛みがある場合はマッサージや温めるはしないようにしましょう。

 

五十肩は放っておくと肩の可動域が狭くなり日常生活に大きく支障が出るので、強い痛みが軽減したら治ったではなくしっかりと対処しましょう。

 

40肩・50肩でお悩みの方の参考になれば幸いです。