2018/10/23(2021/10/23)
今まで腰痛を感じたこともないのに出産を機に腰痛を感じはじめ産後だから仕方がないと放っておいたらだんだんとひどくなってきた。
そんな経験はありませんか?
このページでは大阪市城東区緑橋で骨盤専門施術を行っている筆者が産後の腰痛について解説していきます。
▶︎人気記事:歩くのがツラい【股関節痛】の「原因」から「ストレッチ」まで徹底解説
▶︎人気記事:階段がツラい【変形性股関節症】の原因から対処法まで徹底解説
▶︎人気記事:【急に腰が激痛】ぎっくり腰になったらどうしたらいい?(まとめ)
▶︎人気記事:【産後骨盤】ケアはいつから?効果?痛くて歩けない時の対処法(まとめ)
産後と腰痛について
産後の腰痛については以下のことが原因となってきます。
1妊娠前の過ごし方
妊娠は初潮、更年期と並んで女性のカラダ、骨盤にさまざまな影響を与えるできごとです。
特に出産は約10カ月もの間、自分のカラダで子供を育てて産みます。
物凄い体力やそれに耐えてるカラダが必要です。
しかし、妊娠、出産にスポーツ選手のようなムキムキの筋肉が必要でしょうか?
そうではありませんよね。
それでは何が必要かというとそれは「骨盤や関節の強さ」「関節の柔軟性」です。
いわゆるフィジカルと言われるものでカラダの土台となるのです。
では、これらはどのようにしたら鍛えられるのでしょうか?
先ずは「歩く」ことです。人のカラダは二本足で歩くことで発達・成長してきました。
歩くことでカラダや骨盤が鍛えられると聞くとあまりにも当たり前のこと過ぎるかも知れませんが、
車・バス・電動自転車など交通機関の発達、技術の進歩に加えてパソコンの普及でデスクワークが増えたことにより現在は歩くことが激減しています。
歩かない生活、歩くことを避ける生活、歩けないカラダになっています。
つまり、現在の生活では歩くことが減り妊娠・出産に耐えられないカラダになることが産後の腰痛に繋がるということです。
2出産中の過ごし方
1)「妊娠は病気ではありません」というといろいろな意見があると思いますが、
ここでは生理(生きていく上で必要な行動)の側面からみていきたいと思います。
ごく普通に妊娠できた人もいれば、なかなか妊娠できずやっと授かった人、
流産を経験された人、高齢妊娠、人口受精など妊娠にもさまざまな形があります。
私たち夫婦の場合、はじめの妊娠で稽留流産になりその後、1年ほど過ぎて授かりました。
授かったときは本当に嬉しかったのですがその分、安定期に入るまでは心配でした。
そして、私たち以上に親も心配してくれました。
すると、どうしても「安静」にしてしまいがちです。
しかし、妊娠は病気ではありません。
特別な場合を除き歩くことを含め生活上の活動を減らす必要はありません。
逆に歩行や活動を減らすことで骨盤の不安定化、関節の柔軟性の低下、
生活上必要な筋肉の低下などさまざまなデメリットがあります。
なので、妊娠したことで活動量が減りカラダへの負担が蓄積することが出産後に影響を与え産後の腰痛へとなっていきます。
2)もう一つ妊娠中の過ごし方で大切なのが骨盤の安定です。
子供の成長と共にお腹が大きくなりそれに伴い骨盤も広がります。
すると骨盤は非常に不安定な状態になります。
そのため、妊娠中はさらしを巻くことが大切です。
下から支えるようにさらしを巻くことで骨盤の安定化を図ることができます。
<さらしの特徴>
・締め付け過ぎない
・通気性がよくてむれない
・動いても締め付け過ぎない
・お腹が大きくなるにつれて巻き方を調整することで常にフィットする。
・お腹を衝撃から守る
・お腹を冷やさない
などがあります。
さらに、さらしは着物と同じで美しいカラダの動きをしないとすぐに寄れてほどけてきます。
3出産のダメージ
出産時には骨盤周りのじん帯が緩んで産道を通り子供が産まれてくるわけですから骨盤は相当なダメージを受けます。
また、出産時の状態により産むのに時間がかかったり、
場合によってはお腹を押さえてすることもあります。
これは子供の安全を考えると仕方ないでしょう。
しかし、そのダメージは骨盤に大きく影響するということは理解して産後のケアをすることが大切です。
4産後の過ごし方
出産後は待ったなしで子育てがスタートします。
特に大きな変化が着替えやオムツ替えなどの前かがみの姿勢が急に多くなります。
また、抱き上げ、お風呂入れ、授乳時の体勢など腰にかかる負担は大きくなります。
また、近年は核家族化が進み両親と一緒に住む方が少なくなり、
また、旦那さんも遅くまで仕事で産後のまだ骨盤が安定しない時期から家事、
子育てをこなすことで腰に負担をかけることが産後の腰痛の原因になります。
産後の腰痛の予防法
1.姿勢
40分以上の同じ姿勢は腰痛の原因になると言われています。
上記にあるように授乳、寝かしつけ、お風呂など産後の子育ては同じ姿勢になる機会が多いものです。
そうした中で同じ姿勢をとり続けないように意識するだけでも違ってきます。
たったそれだけのことかと思うかもしれませんが、
意識することで習慣化し同じ姿勢をとり続けないことが当たり前の体になることの産後の腰痛予防の第一歩です。
2.反り返り運動
産後の子育てに限ったことではありませんが日常生活での動作のほとんどが前かがみです。
意識をしなければ普通の日常では反り返ることはほぼありません。
すると、腰骨、背骨の動きとして前かがみの動きは動くけど、伸ばしたり、
反り返りの運動が少ないので関節がサビた状態になり立ち上がりが身体を伸ばす際に痛みを生じます。
そこでおすすめの運動が反りかえり運動です。
3.散歩
産後の腰痛に限らず腰痛全般に言えることですが体を動かさないと関節がサビついてしまいます。新しい自転車でもそうですよね。
新車でも使わずに置いておくといつの間にかサビてしまいますよね。
人間の身体も同じです。
厳密に言えば日常生活では繰り返しの動作になり使う所と使わない所がでてきます。
使うところは動くのですが使わないところはサビて動かなくなり歪みを作ったり、
ツライ症状の原因になります。そのためには身体を適度に動かすことが大切です。
簡単な方法として「散歩」があります。
とても簡単ですが人間は四足歩行から二足歩行へと進化してきました。
その中で、「歩く」「重力に対してバランスを取って動く」という事をしてきました。
つまり歩くという動きは人間にとって必要な動きであり身体を無理なく動かせる動きなのです。
4寝具
夜、寝ている間に腰痛などが無い健康な人で通常30回ほど寝返りをすると言われています。
日常生活など活動中もそうですが長時間の同じ姿勢は力が一点に集中するために身体に負担がかかります。
そのために睡眠時は寝返りで力を分散させています。
<こんな人は寝返りができていない>
1マットレス
以前は低反発のマットレスが体を包み込むような柔らかさでグッスリと眠れるということで注目されていましたが、
近年は高反発のマットレスが話題になっています。
沈み込む低反発のマットレスに対して高反発のマットレスはしっかりと寝返りができるために腰への負担を分散できます。
また、低反発マットレスではなくても長年、
同じマットレスを使用しているとマットレスがヘタってきて腰のあたりが凹んだマットレスを使用していても寝返りがしにくくなり腰痛の原因になります。
メーカーや素材により差はありますがマットレスも消耗品と考え定期的に交換する方がいいでしょう。
2添い寝
子供と添い寝で寝ていると寝返りで子供を踏み潰しそうになった経験はありませんか?
そのような経験を何回かすると脳が寝返りを制御し寝返りをしないようにします。
するとだんだんと寝返りをしない身体になってきます。
添い寝をするなら子供が小さくても1サイズ大きめの布団にすることで腰痛を予防する事ができます。
5さらし
出産後は出産による骨盤へのダメージとホルモンによる骨盤周辺のじん帯の緩みにより骨盤が不安定な状態です。
そんな骨盤を安定されるのにオススメなのがさらしです。
<さらしのメリット>
・下から支えるように巻ける
・緩すぎず締め付け過ぎない
・綿のために蒸れない
<さらしのデメリット>
・巻くのが手間
・ほどけてくる
・かさばる
産後の骨盤ベルトやガードルタイプなどもありますが骨盤の特性や動きを考えると下から支えるように巻けるさらしが骨盤の機能を回復させるにはおすすめです。
まとめ
産後の腰痛は妊娠前や妊娠中の身体の状態や過ごし方により出産時の骨盤へのダメージが産後の腰痛に大きく影響する。
また、それを踏まえて待ったなしの子育てでさらに骨盤に負担をかけることが産後の腰痛の原因となる。
予防法としては姿勢や腰骨を動かす体操、歩行運動などを意識する事が大切です。
また寝具の見直しをする事も腰痛を予防する上で大切です。